韓国映画「完璧な他人」(「おとなの事情」リメイク)
主演、()内は役名:ユ・ヘジン(カン・テス)、チョ・ジヌン(チョン・ソクホ)、イ・ソジン(コ・チュンモ)、ヨム・ジョンア(スヒョン)、キム・ジス(イェジン)、ソン・ハユン(セギョン)、ユン・ギョンホ(ヨンベ)
2018年
いしゃーしゃ的:★★★★☆
(写真=映画.comより)
イタリアのオリジナルバージョンに続いて、韓国版を視聴。オリジナルとの比較をしてみようと思う。イタリア版についてはこちら↓
月食の晩に新居お披露目パーティー
チョン・ソクホとイェジンが新しい高級マンションに引っ越したため、そのお披露目も兼ねてのディナーを新居で行う。参加カップルは以下の四組。
(1)豊胸整形医のチョン・ソクホと精神科医のイェジン。20歳の娘がいる。彼氏がいるが、母親との仲が険悪。
(2)弁護士のカン・テスと専業主婦のスヒョン。小さい子供が三人いるが、今夜は同居しているテスの母に子供を預け参加。
(3)レストランオーナーのコ・チュンモと獣医のセギョン。新婚ホヤホヤ。
(4)元体育教師のヨンベ。本当は新しい恋人ミンスを連れてくるはずだったが、体調を崩しているため一人で参加。
ストーリーはオリジナルにほぼ忠実
全員のスマホをテーブルの上に出しておいて、ディナーの間に来る電話やメッセージの内容をみんなでシェアするというゲーム、設定はもちろんオリジナルと同じである。
以下幾つかのオリジナルとの相違点を挙げてみた。
(1)冒頭の魚釣りのシーン
これはオリジナルにはない。韓国版にはこのシーンを入れることによって、男性陣が幼馴染であることがわかるようになっている。
韓国のことはよく知らないが、イタリアではジモティのつながりがとても強いため、幼馴染同士の友情関係が長く続き、ディナーをするというのは珍しくないので、その辺の背景の説明のために魚釣りのシーンが入ったのかと思う。この部分と、ディナー後の各カップルが帰ってからのシーンも少し韓国版の方が長いため、全体的に25分ぐらい長くなっている。
(2)新居お披露目という設定
オリジナルではただ月食というイベントで、友達同士で夕食に集まる設定だが、韓国版はチョン・ソクホとイェジンの新居をお披露目するという口実もある。そしてこれが他の仲間よりちょっといい高級マンションなので、マウンティングも入っているが、イタリアでは多少のひがみや妬みがあるものの、他の場面においても韓国版ほどのマウンティング感はない。
(3)男女の違いの例
最初の方の会話で出てくる男女の違いの例、イタリア版ではWindows対Mac、韓国版ではAndroid対iOSになっているが、これは国の違いというよりは、時代の違いではないかと思う。
(4)フットサルとゴルフ
幼馴染みの男達はスポーツも一緒にしている仲間であるが、オリジナルではイタリアでより一般的であるカルチェット(フットサル)であるのに対し、韓国版はゴルフである。
(5)人物設定の微妙な違い
韓国版では弁護士のカン・テスが“マザコン”という設定になっているが、イタリア版は違う。イタリア人男性は全員が“マンモーネ”と呼ばれるママ大好き男達なので、マザコンという概念はほとんどないといっていいだろう。
また、韓国版では新婚のコ・チュンモが事業家でレストランをやっている設定だが、オリジナルのコジモはタクシー運転手(個人タクシーなので一応は事業家)。設定として弁護士や医者の友人にタクシー運転手がいるのはちょっとおかしいということだろうか。
また、ディナーの後のシーンで、ソクホとイェジンの娘はデートから帰ってくるが、イタリア版のロッコとエーヴァの娘は帰ってこない。これも文化の違いか(笑)?
ちょっと忠実すぎた感
と以上、思いつく相違点を挙げてみたが、全体的にはたいした違いではなく、韓国版は会話の内容も含めかなりオリジナルに忠実であった。タイトルも韓国語タイトルをGoogle翻訳にかけてみたら、イタリア語の「Perfetti Sconosciuti」と同じ意味の「完璧な他人」と出てきた。
ただ、個人的には全体的に忠実すぎて、残念に感じてしまった感もある。何とはわからないが、もう少し韓国らしさがあってもよかったかなという感じがした。イタリア版を観て面白いと思ってから観ると、ちょっと物足りなさを感じるかもしれないが、俳優達もみんなよかったし、これはこれで作品としてはよかったいえる。
こちらの記事では、お料理などについてもこの韓国版について書いてくださっているので、ぜひ合わせてご覧ください!
中国リメイクの記事はこちら↓
レバノンリメイクの記事はこちら↓