台湾LGBTドラマ「We are Gamily」(伪婚男女)
主演:(上の写真左より)チェン・モー(程茉)、リー・チンティエン(李京恬)、ワン・チュアン(王琄)、アンドリュー・チョウ(周厚安)、ゲイリー・タン(唐振刚)
2017年 全5話 (映画バージョンもあり)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=GaGaOOLaLa公式サイトより)
(2021年5月12日 リンク修正)
私は映画やドラマを観る際に監督とか脚本家のことをあまり気にしないで観てしまう。まあ、なんとなくポスターのイメージやキャストのイケメン度だけで決めて、あらすじも読まない人間なので、監督名なんかほとんど見ていない。
このドラマも面白そうで、ずっとリストに入れていたもの。観始めたら監督名が「周美玲」とあり、あれ、誰だったっけな?と調べたら、2012年ジェリー・イェン主演の映画「花漾 たゆたう想い」の監督だった。なぜジェリーを起用したかというインタビュー動画を見たことがあったので、名前を覚えていたのだ。ジェリー関連は比較的記憶力がいい私(笑)。
これは彼女の LGBTQをテーマとした『六城彩虹』(Over the rainbow)という、台北、北京、成都、香港、シンガポール、ペナンを舞台にしたドラマまたは映画シリーズの一つで、中国の成都を舞台としたものである。
ゲイとレズビアンの偽装結婚
ゲイリー・タン演じるウーガン(武刚)は、アンドリュー・チョウ演じる南アフリカ人のパートナーのサム・ドフと同棲している。3年半付き合っているゲイのカップルである。
チェン・モー演じる図書館で働くヤン・ドゥオ(杨朵)はパートナーのリーヤ(立雅)と同棲している。レズビアンのカップルである。
しかし、ウーガンとヤン・ドゥオはそれぞれ家族から結婚しろという圧力がかかっており、結婚相談所で形だけの婚姻関係を結べる相手を探すことにした。そこで出会った二人、なんと小学校時代の同級生であった。早速結婚するが、もちろん別々に、それぞれのパートナーと暮らしている。
しかしある日突然、ワン・チュアン演じるウーガンの母親が月餅を持って訪ねてきて、これからここで一緒に暮らして二人の妊活をサポートすると言い出す。彼女はどうしても孫が欲しいのだ。
仕方なくウーガンの家に滞在することになるヤン・ドゥオ、しかしパートナーのリーヤはカンカンで結局二人は別れてしまう。
そして荷物を抱えてウーガンの家にやってきた母親、リー・チンティエン演じる彼の双子の妹ウーロウ(武柔)も連れてきた。彼女は香港でツアーガイドをしていたが、暫し実家の成都に帰ってきていたのであった。全く結婚する気のない娘が心配でしょうがない母親、内緒でヤン・ドゥオに彼女がお見合いするように説得してくれと頼む。しかし、ウーロウも実はレズビアンだったのだ!
さて、形だけのカップル、本当に愛し合うもの同士のカップルの行方はどうなるのか?
親のための偽装結婚
ウィキペディアによれば、偽装結婚とはこういう説明になっている。{ }内は私の要約。
ウーガンとヤン・ドゥオはまさにこの(3)の理由の偽装結婚であるが、この二人は親、家族のために一生夫婦であるふりをすることを決意した。そしてウーガンの母親も偽装結婚を知ったとき、周りに一生隠し通す決心をするが、今度は自分が演技をする立場になったときに、いろいろと悩むのであった。
コメディでありながらもスローガンへの問題提起
このドラマの最初からこのスローガンが繰り返される。
「共创社会主义和谐社会」
これはウィキペディアによれば「矛盾のない調和のとれた社会のことを指す」中華人民共和国のスローガンであるが、矛盾とはなんなのであろうか?そして調和とは?
台湾らしいコメディタッチの物語でありながらも(ウーガン達の家の中の小物が笑える)、中国を舞台にして、結婚、社会のあり方、家族の幸せ、そういったものの本質を問いかける興味深い内容となっている。
現時点で映画バージョンが中国語および英語字幕付きでYouTubeでも観られる。
(2021年5月12日 リンク修正)
予告編をリンクしていましたが、削除されているので、直接映画バージョンをリンク。公式なのかよくわからないので、削除される可能性もあります。