韓国映画「ワンダーランド あなたに逢いたくて」
主演:タン・ウェイ(汤唯)、ペ・スジ、パク・ボゴム、チョン・ユミ、チェ・ウシク、コン・ユ
2024年 115分
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=namu.wikiより)
年末に向けて、頑張って視聴中のドラマ(中国ドラマ3本、タイドラマ1本、リアタイ日本ドラマ1本、古い日本ドラマ3本)を消化中。でも、ちょっと箸休めに映画も。
もう会えない人を再現するサービスアプリ「ワンダーランド」
AIを駆使した画期的なサービス「ワンダーランド」。これは死んでしまった人や昏睡状態の人を再現し、ビデオ電話機能の専用アプリを通して、残された家族が寂しくないように、いつまでも会話をできるというもの。
タン・ウェイ演じるバイリー(白李)は、自分の余命が短いと分かった時に、このサービスを依頼。残していく幼い娘に寂しい思いをさせないためだ。
考古学者として発掘調査に長期間出かけるという設定にし、砂漠の真ん中の遺跡から娘と、娘を託した自分の母親とビデオ通話をする。
ペ・スジ演じるフライトアテンダントのジョンインは、昏睡状態になってしまった彼氏テジュ(パク・ボゴム演)を AIで再現してもらい、宇宙飛行士となって空の彼方にいる彼と毎日ビデオ通話をする。
チョン・ヨミ演じるヘリと、チェ・ウシク演じるヒョンスが管理するこの「ワンダーランド」というサービスを通して、さまざまな人間関係、大切な人になりきったAIによるバーチャルな相手との関係が描かれていく。
だんだん学習していくAI
様々な分野で活用されるようになっている人工知能=AIであるが、やはりいくら技術が進んでも、AIと人間の感情にはまだまだ相入れない部分があるというのを見せてくれたストーリーであった。
2時間という映画なので、細かいところまでは描かれていない部分もあるが、AIが色々と通話を通して学習していく部分はなるほどと思った。
例えば、サービスを利用する祖母と若くして亡くなった孫の関係を描くエピソード。孫のAI青年は憧れだったロンドンに演劇の勉強に行っているという設定。
そんな可愛い嬉しそうな孫に、祖母は色々なものを買い与える(アプリにショッピング機能あり)。祖母が色々と買ってくれるとわかると、孫の要求も高くなり、祖母はそれを満たすために食堂での仕事を掛け持ち。
AIも様々な会話を通して学習し、まるで自我が目覚めたようになっていく過程には、色々と考えさせられた。
こんなサービス、あったら使う?
また、昏睡状態だったジョンインの彼氏のテジュはある日、目を覚ます。ジョンインは本物のテジュと、自分が作り上げたAIテジュのギャップに、だんだんついていけなくなり、どうしていいかわからなくなっていく。
「残される人が寂しくないように」というと、とても優しい目的を持ったように聞こえるが、実は死んでいくものや残されていくものの「こうでありたい、こうしたい」というエゴに過ぎないのではないかと思う。
便利な世の中になったという証明として、こんなサービスもひょっとしたら本当にできるかもしれないが、何だかとても残酷なサービスだなとも感じた。
死を受け入れるのは簡単ではないだろう。でもきちんと向き合うのは重要である、そんなメッセージも込められていたのではないかと思う。
最後の方のちょっとSFっぽい部分や、コン・ユの役はよくわからなかったが(あのメンコオヤジ系の設定なのか?笑)、キャストはなかなかいいので、Netflixに入っている方は、時間のある時にでもどうぞ。
こちらが予告編。