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台湾映画「ひとつの太陽」(陽光普照)

主演:チェン・イーウェン(陳以文)、クー・シューチン(柯淑勤)、ウー・チェンホー(巫建和)、シュー・グアンハン(許光漢、グレッグ・ハン)
2019年
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆
(写真=Netflix公式サイトより)

「戻ってきました、台湾シリーズ」、第3弾は映画。
これ、実はだいぶ前にNetflixで配信開始された時に割とすぐに視聴したのだが、あまり印象に残らなかった。しかし、シュー君(許光漢)をやっぱり改めて見ようと思って再視聴。

バラバラになる家族の物語

レストランで食事している男がいきなり斧で手首をちょん切られ、切れた手の先はテーブルの上でぐつぐつ煮えている鍋の中に入ってしまうシーンで始まるこの映画。手を切った男の共犯者としてウー・チェンホー演じる次男アフー(阿和)は逮捕され、少年院に入れられる。そこからのアフーの家族を描いた物語である。
チェン・イーウェン演じる教習所指導員をしている父親のアーウェン(阿文)はすでにぐれていた、挙げ句の果てに逮捕された次男のことはない存在として扱っている。
クー・シューチン演じるナイトクラブで美容師をしている母のチンジェ(琴姐)は、アフーの子供を妊娠してしまった15歳のシャオユー(小玉)の面倒を見ることにする。
シュー君演じる秀才で医学部を目指している長男アハオ(阿豪)は勉強を頑張っており、両親に期待されている。予備校でもガールフレンドができ、順調な生活だ。
しかし、今度はアハオに起きる事件をきっかけに、家族関係が少しずつ変化していくのであった。

陽の当たるところにいるもの、陰にいるもの

いつも勉強ができて、みんなから可愛がられ、羨ましがられていた長男アハオは結局常に陽の当たる場所にいて、幸せそうに見えていたが、実はそうではなかった。次男のアフーは中学生の頃からグレだし、結局少年院に入る羽目になり、日陰の人生を送っているように見える。しかし、刑期を終え、少年院を出てからは真面目に更生していこうとする。
兄弟をはじめ、登場人物のあり方が、動物園の動物たちを例にして陰陽で表現されており、陽の当たっている場所の方が一見良さそうだが、実は日陰、隠れることができる場所も必要なのだと考えさせられる。
ただ、この邦題の「ひとつの太陽」というのはあまり好きではない。なんか別の太陽、他の光がある、そんな印象を持ってしまっていたが、実際には太陽が当たるか当たらないかということをテーマとしていると思うので、イメージがなにか違う。

暗いエピソードが続き、ハッピーエンドではないが、キャストの演技力や風景、写真の美しさが高く評価され、様々な賞を受賞したりノミネートされた作品だが、個人的にはあまりにも暗すぎて、またもう一回は観ないだろうなと思った。

キャストはみんないい

シュー君はもちろん(ちょっと出番少なすぎ、でも重要な役)、父親役のチェン・イーウェンももちろん良かった。しかし個人的にとても気に入った、というかびっくりしたのは母親役のクー・シューチン。彼女はちょうど先日書いた2015年の台湾ドラマ「結婚なんてお断り⁉︎」(必娶女人)でも母親役で出ていて、鶏やら果物やらいろんなものを拝んでお祓いをするコミカルな占い師だったが、どちらの作品でも頼りになる、力強い、そして優しい母親を演じていてとてもよかった。

こちらは映画とは全く関係ないけど、シュー君の2020年のヒット曲「別再想見我」をリンク♪このMV自体がショートムービーとなっており(約11分)、映画でシャオユーの叔母役だったアイヴィー・イン(尹馨)も出ている。二人の顔の表情と目での演技に注目。


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