日本ドラマ「罠の戦争」
主演:草彅剛、井川遥、杉野遥亮、小野花梨、小澤征悦、宮澤エマ
2023年 全11話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=カンテレ公式サイトより)
久しぶりのつよぽんのドラマ、待ってました〜❣️
大好きだった「僕」シリーズ、「戦争」シリーズ、もちろんそれ以外のドラマも彼主演のは何本か観ているが、いやあ、彼を久しぶりに連続ドラマで見られて嬉しい。
裏切られた政治家秘書のリベンジエンターテイメント
つよぽん演じる鷲津亨は冷静沈着で有能な議員秘書、若い頃の恩がある本田博太郎演じる衆議院議員犬飼孝介に忠実に仕えていた。しかしある日、息子が瀕死の重傷を負う事件が起こり、慕っていた犬飼より事件の“もみ消し”指示される。
このまま全てを呑み込み、理不尽な要求を受け入れるのか?
息子の事故は単なる事故ではないのか?
政治の世界における権力構造をまざまざと見せつけられた鷲津は、仕事のためには自分を殺し、我慢を重ねるのが当たり前だと思っていたが、何かが彼の中で変わっていく。。。
韓流に負けず劣らずの爽快な復讐劇
「戦争」シリーズの第一作目の『銭の戦争』は韓国ドラマのリメイクだったが、二作目と本作は完全なるオリジナル。ここ数年は韓国のドロドロ復讐劇ドラマも何本か視聴しているため、時々日本のドラマが物足りなく感じることもあるが、本作は全11話で展開の激しい復讐劇をしっかりと見せてくれた。
しかし、単なる復讐劇ではなく、鷲津の息子の事件を解明しようとするサスペンスでもあり、ファミリードラマでもあり、若手の秘書たちの成長物語でもある。そして一番の見どころは、日本の政治の実態を痛烈に描写している部分でもあっただろう。
「権力」とは何か?
最初はその権力に虐げられていた鷲津が、権力を振りかざす連中から、その力を奪い取ってやると奮闘していく姿がよく描かれており、こういう役はまさにつよぽんならではであった。
「誰かを助けてやるのは気持ちいい」
一度力を手にしてしまうと、この気持ちよさに誰もがしがみつくのだろう。これにはある意味、現在の一部の日本の政治家たちを指しているのだろう。岸辺一徳がこのセリフをいうところに、とてつもない説得力があった。
動物のそれぞれの特徴も
本作の登場人物の名前には、すべて動物が使われているが、今Wikipediaを読んでいたら、そうか、銭では色、嘘では数字が登場人物の姓に使われていた。
色や数字だと、そんなに深い意味を込められないと思うが、動物だとある程度、その特徴も人物像に持たせられたのも、本作の魅力だったと思う。
岸辺一徳演じる鶴巻憲一。鶴というのは日本では縁起が良く「長寿」の象徴でもある。まさに政治界で長寿でいる。雑食なので、なんでも食べるらしく、だからこそ生き残れるのかもしれないが、北欧では「死を運ぶ鳥」らしい。他の政治家仲間にとってはこれはまさにそうであったろう。
片平なぎさ演じる鴨井ゆう子。これはまさに「鴨の水掻き」ではないだろうか。優雅に泳いでいるように見えても、実は一生懸命水面下で足をばたつかせている。彼女も初の女性総理を目指してもがいていたのだろう。
高橋克典演じる竜崎始。彼が”いい人”で終わるわけはないと思っていたが、案の定。結局は「想像上の動物」であったということか。一時的な崇拝対象という意味もあったのかもしれない。
そして鷲津亨。鷲は猛禽類で、「空の王者」とも呼ばれる鳥。鷲津もいっときは上まで舞い上がっていくかと思われたが、そうではなかった。しかし、これはもしかして別の形で続編があるのかもという示唆にも思える。
このように、それぞれ動物の名前も良かったが、やはり締めとしては「竹」。竹の花、竹林というように日本の政治界を竹で表現しているのはズバリ的を得ていてなるほど〜と感心。
うまく動植物の特徴を取り入れて作られていた脚本はお見事であった。
「戦争」シリーズがまだ続くのかわからないが、これからのつよぽんの活躍には期待したい。
こちらが香取慎吾とセブチのコラボ曲でエンディングの『BETTING』♫ やっぱりつよぽんも香取慎吾もエンターテイメント性を持つすごいアーティストなんだなぁ。