日本ドラマ「抱かれたい12人の女たち」
主演:山本耕史
ゲスト:高橋メアリージュン、若月佑美、MEGUMI、筧美和子、中村ゆりか、松本まりか、岡本玲、三浦理恵子、佐藤江梨子、奈緒、高橋ひとみ、剛力彩芽
2019年 全12話(1話約23分)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=テレビ大阪公式サイトより)
2019年に放送されていた当時、とても面白くて毎週楽しみに観ていた本作、noterさんの記事でTVerに出ているのを知り、再視聴してしまった!
夜中にバーを訪れる訳あり女達
オープニングのシーンは山本耕史の楽屋。そこにスタッフからゲスト女優の自筆のメッセージが届けられる。「初めまして」や「お久しぶりです」から始まる簡単なメッセージだが、名前は明かされない。
そして次のシーンで別の楽屋にいるゲスト女優が登場。どんなシチュエーションで、どんな女を演じようとしているかの設定を話してくれる。そして
「今日、私抱かれます」
と意を決して本番へ臨む。。。
毎回こういうパターンで始まり、約20分弱の即興劇になるのだが、終わりの合図となるのは、山本耕史がカクテルを作り、それを出されたらゲストはお決まりのフレーズを言わなければならない。
果たして今宵、ゲスト達は抱かれる運びになるのか?
演じてないのに一緒に緊張!
即興劇というのは多分初めて観たのだと思うが、どのエピソードも面白くて見入ってしまった。私が演じているわけでもないのに、「う、この展開どうしよう⁉️」なんて手に汗握ったり、「あ、まずったかな」なんて思ってしまったり。そして「はい、カット‼️」の声が入ると、緊張が解けて思わず私も画面の二人と一緒に爆笑!こんな経験初めてじゃないかな。
どの女優の設定も面白かったが、印象に残ったのはこれかな。
(1)男なら堕ちる、めちゃセクシー路線:高橋メアリージュンと松本まりか
もうこれは絶対に抱かれる二人(笑)。いやぁ、彼女達に迫られたら男性陣はNOとは言えないでしょ。10万円のアロマオイルなんてみんな即購入でしょ。タジタジする山本耕史が面白かったエピソードであった。
(2)楽しい劇中劇:若月佑美と奈緒
この二人は即興劇の中に劇中劇を持ち込んできた。一人は新しい作品の練習、一人は漫画の原作という設定だったが、山本耕史の面白い反応というか演技を引き出したエピソードとして評価できるのではないか。
(3)女優の貫禄あっぱれ:三浦理恵子と高橋ひとみ
もうこの二人の貫禄に押されっぱなしのエピソード。もちろん女優としてとてもいい二人であるが、こういう即興劇においてもブレない。やはり経験というのは何物にも変えられないのだろう。高橋ひとみにはとにかく最初から最後まで山本耕史も私も笑わせられてしまったが、そんな彼女のペースに巻き込まれた20分間であった。
延々と続けられたかもしれない即興劇
3年前に視聴した時も印象に残っていたが、どれか一つ、ベストを選べと言われたら、間違いなくこれ、岡本玲の「売れないパンクロッカーの女」。彼女の設定、そして演技も良かったが、やはりこのエピソードですごかったのは山本耕史の即興曲。ギターで次から次へと披露される曲は良かったし、反省会でも言っているように、そう、このエピソードはBGMが後から一切追加されることなく、全て彼の演奏。エピソード自体も面白かったが、山本耕史の新たな魅力を発見できたものとしても最高の出来栄えだったのではないかと思う。20分どころか、二人で延々と続けられたんじゃないかと思える展開であった。
確か当時、本作のプロジェクトができた時に山本耕史に打診したら、二つ返事でOKしたというのを読んだ。
最後に行われる反省会でもほぼ全員言っていたが、短いにもかかわらず、通常の台本のある仕事よりずっと緊張したらしい。皆色々と演技の勉強をしてきただろうし、数多くの作品もこなしている俳優達だが、そんな彼らでも即興劇を引き受けるのは勇気がいるのだろう。
いろんな場面を見ていて思ったが、俳優の仕事というのは演技力はもちろんだが、一番問われるのは想像力ではないだろうか。与えられた役のことを色々と想像するのも重要だろうが、こういう即興劇という自由が与えられた時にこそ、それぞれの想像力を駆使した個性というのを光らせることができるのかもしれない。
設定が同じでも違ってもいいから、違う俳優達でこういう即興劇シリーズはまた見てみたい。でもこのバーのマスター相手の即興劇というのは、ちょっと『深夜食堂』っぽく、海外でも同じフォーマットでできるんじゃないかなぁ。韓国や台湾の抱かれたい女も見てみたいかも!
こちらが加藤ミリヤちゃんの『PARADE』が流れるドラマのオープニング。深夜ドラマならではのシーンだけど、彼女のこの歌がとてもあっていて良い。当時もヘビロテだったが、またライブラリに追加してしまった♫