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サイケデリックトランスワークの有効性〜トラウマセラピストが語る

はじめに

元複雑性PTSDのトラウマ解放セラピスト、イーシャです。

前回、と言っても、2ヶ月前の記事ですが、「サイケデリックトランスワークの有効性について書きます」と言って、そのままになっていましたので、書いてみたいと思います!

サイケデリックトランスワークとは何か

このワークには、さまざまな形態がありますが、基本的な考え方は、意識を変性させて、無意識のものを浮上させ、身体に溜まった情動を解放することで、本質的な自己との一致を促すものです。

いわゆる心理療法ではないので、昔から、自己探究を深める一部の人たちが行う、極めてニッチなものとも言えます。

ただ、実際には、精神科医や心理療法家たちが、現在も、その可能性を探求していて、決して、まやかしやプラシーボではありません。

これは、ソマティックなアプローチで行うトラウマ解放ワークですが、ある角度から見れば、変性意識に入って行うワークで、サイケデリックとまでは言わないけど、トランスワークとは言えるでしょうね。

さて、近年の脳神経科学が説明するトラウマリリースワークの効果が明らかになればなるほど、サイケデリックトランスワークの有効性も、より明らかに現代人に説明できるものに昇華してきていると感じます。

サイケデリックトランスワークの形態はさまざまにあるものの、大きく分けると、2種のタイプがあり、一つは、国によっては違法にもなりえるサブスタンス(媒介物)を使って行われるもの、もう一つは、サブスタンスを使わないものです。

サブスタンスを使うワーク

カナダ人医師であり、トラウマの知恵を世界中に伝える第一人者であるガボールマテも、自身が行うトラウマ療法の映像の中で、サブスタンスをクライアントに使っていました。

それが、何なのかは詳しくはわからないのですが、当然ながら、それは、合法なのでしょう。

日本では、違法となっていますが、南米の山奥でやっている伝統的なアヤワスカの儀式も、これに該当します。

私の知人も、わざわざ南米ツアーに参加した人がいて、体験談を聞きました。

確かにすごそうです。

中華圏は、実は、セラピーがかなり盛んで、日本よりも随分と進んでいるのですが、中華圏の人たちにもアヤワスカツアーは人気です。

セラピストたちもかなり腕がよく、目利きのできる経験者が多いので、参加した友人たちの経験を聞くと、ツアーが上質のものだと想像できます。

以前、中華圏の友人から、エクアドルツアーに誘われたのですが、私自身は、今のところ、積極的な興味はありません(笑)。

なぜなら、サブスタンスを一切使わずとも、音楽と身体、呼吸だけを使って行うワークがあって、危険性や違法性は全くなく、とても深い効果が得られるからです。

LSDの誕生秘話

現在、LSDというと、完全に違法薬物で幻覚剤と考えられますが、実は、LSDは、その昔、サイケデリックトランスワークのための有益なサブスタンスとして使われていました。

実際にLSDを使って、患者を治療していたのは、精神科医たちで、当時、現場での有益性は認められていたのです。

当時、その実験に関わっていた一人が、チェコスロバキア出身の精神科医で、現在アメリカ在住のスタニスラフ・グロフです。

グロフによれば、LSDは、当時、製薬会社が意図せず生産してしまった産物で、その可能性を研究するために、製薬会社から、医師たちに配布されて、利用法についての実験を依頼されていたと言います。

そして、グロフたちの努力によって、実際に、長年のカウンセリングや、心理療法では改善しなかった精神疾患を持つ人たちが、LSDを使った治療で、劇的な回復が生じることがわかったのです。

さらに、LSDには、それそのものには、副作用や中毒性は認められず、適切な専門家の指導のもとに利用されるならば、多くの精神疾患に有効でした。

※この書籍は、大変おすすめなのですが、いつの間にか、こんなに高価なものに・・・。

ですが、ヒッピームーブメントの時期でもあり、若者によるLSDの乱用が広がり、LSDは違法薬物として取り締まりの対象となりました。

精神科医として、LSDの可能性を奪われることになったグロフは、その後、サブスタンスを一切使わない、サイケデリックトランスワークを開発しました。

それが、ホロトロピックブレスワークです。

2025年で、94歳であり、第一線は引退されていますが、彼の功績は、世界中の多くの精神科医や、心理療法家、セラピストたちに引き継がれています。

トラウマ解放セラピストとしての正直な意見

こうやって書いていると、私は、「トラウマ解放セラピスト」なんていってるけど、それ以前に、セラピーオタクなのだと思います。

とにかく、心と体に有効なものを、人体実験のように、20代半ばから、20年以上試してきたわけです。

ある意味、クライアントとしての経験も積んできたからか、自分に合うもの、合わないものを知り、適切なものを選び、最大限にその効果を得たいと思っています。

大事なことは、とにかくこれ。

何を受けるかではなくて、誰から受けるかが重要。

ということで、最後に、フェアな目線で、個人的見解を語ってみたいと思います。

ホロトロピックブレスワーク

私自身は、ホトロトピックブレスワークの大ファンです。

なぜなら、このワークは、音楽さえあれば、呼吸と身体だけで行える、とてもホリスティックなワークだからです。

個人セッションほど、毎月受けるものではないかもしれないけど、数ヶ月に1回、年に1回でも、受ける価値は大きいです。

今の自分の身体だけで、潜在意識の奥の行けるところまで行くという意味では、負荷は自分が負える分しかかかりません。

ただ、日本で、いますぐにどこかで体験できるかというと、かなり限られているように思います。

また、誰から受けるかという意味では、ファシリテーター選びはとても重要です。

ハートエデュケーションセンターでは、困った時のブレス駆け込み寺に、チームメンバーで時々駆け込むことがあります(笑)。

サブスタンスについて

私自身は、海外で、合法的サブスタンスを使ったトランスワークの体験があります。

とても静かな気づきや、衝撃的な気づきがやってきて、確かにセラピープロセスは、格段に進みました。

だけど、どれほど合法と言われようとも、強烈な刺激に驚き、中毒的に利用する人がいるのも事実です。

結果、なぜ、それを利用するかというと、癒しを促すために行うのであって、遊びや何となくの興味本位で行うものではありません。

経験深い瞑想者は、「瞑想は遊びだ」とカッコよく言えるかもしれませんが、私はその域には達していませんので、あくまでもトラウマ解放セラピストとしての目線です。

ということで、癒しこそが目的だとすれば、サイケデリックトランスワークでなくてもいいわけで、「正直、なんでもいい」というのが、個人的なスタンスです。

そして、身体への負荷をかけないという意味では、サブスタンスを使うワークを、私は選択しません。

もちろん、その道には、その道の専門家がいて、海外ツアーなどもありますから、時が来て、体験できたら、素晴らしいものになるはずです。

ここでいう「選択しない」というのは、今、トラウマに悩んでいて、生きづらさを感じている人が、突然サブスタンスを使わなくても、他にできることがあるよね、という意味です。

心についての基礎知識をしっかり得て、自分の身体だけを使って、トラウマリリースワークを体験すること。

そして、気づきや瞑想がなんであるか、少しでもそのパワフルさに気がついているなら、それで十分とも言えるのです。

その上で、時が来て、導かれるようにサイケデリックトランスワークを、人生で、一度か、二度、体験するのも良いかもしれません。

さて、次回は、ホロトロピックブレスワークについて、もう少し書いてみたいと思います。

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