funeral
歌はみな、
遠くの果てに消えていってしまった
一人残された私は何処、
鳥が飛び立つ様を見ていた
忘れゆく想いはたくさんあれど、
何度も聞いたあなたの声だけは
風のない夜の凪
金色に光るリスの尻尾
舞い戻ってきた手紙の温かさと、
二度と触れられぬ手
変わらないでいると誓った声が
今でも耳に響いている
終わらないでと泣いた夜に
朽ち果てそうなこの煉瓦の塔の中で
静かに時は過ぎ、
海の歌が止んだ
巻き戻す時計の歯車は一つ欠け、
空回りする私たちの
静かに静かに時は流れて
いつかの涙が今更になって伝う
静かに静かに流れ落ちて
また悠久の時へと還ろう
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