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面白い「伊勢うどん」ヒストリー
みんなは伊勢市の名物
「伊勢うどん」を知っているだろうか?
あの麺にコシがないことで有名なうどんだ。
私は蕎麦派なのだが、伊勢うどんだけは別でとても好きなのである。
食べたことのない人に味を説明すると、甘辛いタレが底の方に少量あるだけで出汁を使ったつゆは無い。そこに極太の柔らかい麺があり混ぜ麺のようにかき混ぜてタレを絡ませてから食べるのだ。
私は今回仕事で戻っている際に伊勢市にある伊勢うどんメーカーの社長さんに会う機会があり本社へ伺った。
話は少しズレるのだが、東京にも伊勢うどんは実は売ってはいる。
ちょっとお高めのスーパーならごくたまに見かけることがある。
しかし「これが本家の伊勢うどんだ」と伊勢志摩の人間が認めるのは
実は伊勢市にある「3社の伊勢うどんメーカー」のみで
他のは「う〜ん なんか違う」と思ってしまう。
残念ながら東京に売っている伊勢うどんは
「う〜んなんか違う」の方しか私は見たことがない。
ぜひ伊勢志摩へ
宣伝を挟んだところで、本編に戻ります。
伊勢うどんのルーツについて社長さんに聞いてみたのだが結論から言うと
「諸説あるが わからない」
らしい。
タイトル釣りをしてしまい申し訳ないが、私も知りたかった。
これまで言われたルーツは様々あり有力なのをいくつかあげてみよう
1:昔伊勢まで来た人たちは歩いてきて弱っているので、消化に良いものを食べさせるために、麺がやわらくなった。
2:江戸時代には毎年500万人ほどのお伊勢参りをする方がいて、硬い麺をい茹でている時間などないから、柔らかくしてすぐに提供できるようにした。
この説が有力だった、しかし近年の研究でやっぱり発祥はわからないとなってしまった。文献などが残ってないらしいのだ。
讃岐うどんのルーツは弘法大師空海が中国から持ち帰った製法をみんなに教えたことが始まりとわかる文献が残っているが、伊勢うどんにはそのような文献が残ってない!
残っていらたこんなにモヤモヤしない!
ただ資料が残っているものとして、
伊勢神宮へ行く際に川を船で渡す船頭さんがたくさんいて、その人たちがその日何人乗せたかを記録したものはあったらしく、そこから年間500万人ほど伊勢に人が来ていたらしい。
500万人て2023年現在の伊勢市にくる観光客の人数と同じくらいで、江戸の当時では日本の全人口は3000万人ほどなので6人に1人は来ていることになる。
私はまだこれが本当だとなかなか信じられないのだが、今のところそうらしい。笑
なので江戸の当時、そんなにうどんを作ってお客を捌けるわけがない!
そもそもお伊勢参りの絵には「伊勢うどん屋」ではなく「うどん屋」としか書かれていないようで、正式な伊勢うどんになったのもいつかわかっていない。
逆にここまでブラックボックスになっている料理だと思うととても面白い!
ちなみに500万人もの江戸時代の人が来ていたために日本3代遊郭の一つ「古市」がありました。第二次世界大戦の影響で現在の伊勢市には当時の面影は一つも残ってはいません。
しかし、古市があったためにそこで楽しまれた「伊勢音頭」は全国に広まり様々な地域の温度や民謡のベースになっていると言う話も聞きます。
なぜこんなに影響があったかというと伊勢という土地は「一般市民が楽しめる場所」だったということがあります。
京都や江戸はなかなか位の高い人や、商人しか行けない地域であったのですが、伊勢には農民の方もたくさん来ることができ、だからこそみんなに楽しまれたのです。
しかも外宮領土民と言われる地元の一般市民は年貢を納める義務がなかったのです。
天皇もいないし武士もいない、そんな地域一般市民は歴史の資料にも残らない人たちの、様々な生活から生まれた文化があり、それを口頭や行動で伝承していって、足りないところはブラッシュアップをして今の伊勢うどんもできたのかもしれません。
トップの一部の人たちの記録が残るばかりに、信じ込んでいる歴史が私たちの常識になっていますが、文献や資料がある人は全人口のほんの一握りで、当時の文化や文明は多くの一般市民からなっていることを気付かされた体験でした。
今回のお話はここまで、上記の文章についても確信的な情報ではないので、冗談半分に聞いてください。
もし何か知っていることがあれば教えて欲しいくらいです笑
地元民ならこんな感じで伊勢志摩のことを面白おかしく話せるので、私と伊勢観光するのは楽しいかもしれないですね笑
今回の伊勢うどんのメーカーさんとのお話で伊勢という土地にはまだまだ面白いことが多く埋まっている気がしますね。
伊勢志摩についてもっと詳しく知りたい方はまた別の話題でお会いしましょう。では!