見出し画像

作文がうまくなる方法|こどものにほんご


学問するための基礎体力を養う視写《ししゃ》


視て写すという通り、お手本をそのまま書く
書写のようなものなのですが、
書写と違うのは
字形を整えることに集中して書くのではなく
書いてある内容に注意を払いながら書く、ということです。

「徹底反復 たかしま式 視写プリント」(小学館)が出版されたのは
2006年ですが今も新品が入手できるということから、根強い人気が
あることが想像できます。
レビューでは、簡単すぎるというコメントから
特別支援教育でも使えるというコメントもありました。
形式が整っている教材なので
先生や保護者にも当事者である子どもにも優しい教材なのだと
思います。

書くべき事が決まっていて、その通りに書くだけなのですが
大学の授業実践として残されています。

シリーズ『大学の授業実践』3
視写の教育―――〈からだ〉に読み書きさせる
池田 久美子 著    東信堂

〈からだ〉に読み書きさせる
よい文章を正確に書き写す。それは、学問するための基礎体力を養う。

【出典】視写の教育  池田久美子 著

ご自身の授業実践から、
からだで覚えるほど書くことの重要性
良い文章を書き続けるうちにそれが身につく
ということが、変容する学生の様子から伝わってきます。



塾の先生から「作文がうまくなるのに、視写が良いですよ。」
とアドバイスを受けたと仰る保護者が
好意的に私に褒め言葉をかけて下さったことがありましたが
あのとき先輩から視写の方法を教えて頂いたばかりで
効果の程はよく分かっていなかったのです。

でも、その後「視写」は、注意深さ集中力表現力
のばすことに効果があると私も分かりました。
見たことを見た通りに正しく書くだけなのに
優れた文章には、効果的な接続詞や熟語や言い回しが使われており
文脈の中でどのように使えば良いのかが分かります。

池田先生が仰るように、書くことで体に覚えさせるという作業を
コツコツ積み上げていくことで「作文が得意な子」とまではいかなくても
「書くことが苦ではない子」になる
様子を私も見てきました。

そして、ワンパターンは子どもも飽きてしまうので、
最初は、国語教材やオススメの絵本の話を下の形式で。

原稿用紙の半分Aに、文章を書いておき
原稿用紙の半分Bに、児童が視写する

子どもたちが慣れてきたら

教科書を見て原稿用紙に書く
原稿用紙の使い方が定着していない児童もいるので
要所要所に句読点やカギ括弧、助詞などを書いておく

ゲーム感覚で、自分が視写している文が原稿用紙の使い方と合っているか
確認しながら出来る良さがあるのですが、用意する方は細心の注意を払わなければいけません。
全文書けば良いのに、横着をして書いたヒントがずれていて
「先生~間違ってたよ~。」と言われることも何度かありました。
間違いに気づいて、自分の理解が正しいと思える児童は良いのですが
先生が間違うはずがないと思ってくれる子には申し訳ないので
そこだけが作成上の注意点です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?