「日付 10」日本語教育の地域格差・なぞり書きにこだわる理由|こどものにほんご
年少者のにほんご教育格差
年少者のための「なぞり書きドリル」を作り
noteを始めたのは、これらの書籍がきっかけでした。
近年発行された書籍から読み取れるのは
適切な日本語指導をする人材や教材が不足していて
地域で大きな差があることです。
10年前と変わらない現実に驚き
何かしなくては・・・と
noteを開始した10月から約3か月。
3か月で、ひらがなを習得するドリルという目標で
ほぼ毎日更新してきました。
ゼロビギナーを想定したので制限のある中で
支援者がいなくても何とか自力でなぞり書きできるように、と
作り始めましたが
言葉の通じない相手にその場に居ずに
指示を出すことは私にとっては高難度でした。
なぜ「なぞり書き」か
半年間日本語指導を受けていた2人の児童を引き継いだ時
その子たちは、ひらがなを満足に書くことが出来ませんでした。
半年間
半年間、その子たちの貴重な時間がどのように費やされていたのか
前任者の記録を見せてもらうと、ほぼ絵本の読み聞かせでした。
絵本の読み聞かせは、必要で大切な時間です。
ただ、バランス良く「読む」「書く」「話す」も
取り入れる必要があります。
日本語学習をしている教室から、
前任者の大声が聞こえることがあったという話を先生から聞き
子どもたちも前任者も大変だったのだなと思いました。
教育委員会から薄い冊子は配布されていましたが
ゼロビギナーの導入にはちょっと難しく
低学年の授業経験のない人がそれを活用しながら
日本語指導をするのは、
想像するより難しい場合があります。
もし、もっと簡便な補助教材があったら
その前任者も
日本語が分からない子ども相手に怒鳴ったりせずに済んだのではないか
子どもたちもふざけたりすることもなく、とにかく手を動かして
ひらがな練習に取り組んだのではないかと
そんな風に考え
なぞり書きドリルを作りました。
誰が教えても一定の質を保つ
学校では
指導者によってカリキュラムの取りこぼしがないように
文部科学省は、学習指導要領を作成し
教科書会社がそれに合わせた教材を作っています。
カリキュラム・オーバーロードや
教員の働き方改革について少しずつ現場の意見がSNSで
見られるようになっていて
先生や子どもたちが健やかな気持ちで日々過ごすために
何が必要なのか真剣に考える時が来ている気がします。
日本の公立小学校に入る上で必要な
日本語学習(生活言語と学習言語)を
必要とする児童生徒のための教材が
文科省主導で作成されることを期待しています。
しかし
10年後には良くなっているだろうと私が楽観視していた
海外ルーツの生徒の問題がまだまだ解決しておらず
それ以外の課題も沢山ある中で優先順位としては
上位になることはなさそうです。
私は体をこわして現場にはいられなくなりましたが
先輩や子どもたちから教わったことを記録し
次の世代に伝えることは出来ます。
日本語学習が必要な児童生徒が増え続けているので
現場の先生や、やる気があってもやり方が分からず辞めてしまう
日本語指導員の一助となれたら良いなと思います。
「生きる力」のその先
「生きる力」のその先へ
これは、新学習指導要領の文言です。
「日本のお金」「日付」「時間」「天候」
日本で生きるとき必要な知識として
不易と考え
この4つを柱として日本語教材を作っています。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
新しい年が、あなたにとって
すてきな1年になりますように。