母国紹介なぞり書き新聞と異文化交流|より良いこどものにほんご教育のために
このページを開いて下さり
ありがとうございます
地域差の大きい子どもの日本語教育について
どうにかならないかと考えています。
母国尊重
口を開こうとしない児童の日本語指導に派遣された時
先生方の期待が大きくて正直「私に務まるのかな」と不安になり
毎日その子の授業について考えていました。
(授業自体は週4コマしかないのに)
前任者が半年間
絵本の読み聞かせ中心にしていたようで
ひらがながまだあやふやな所があり
なぞり書きをしながら文字と単語を増やすことにしました。
学校の中で役に立つようなまとめ方
新聞形式は国語教科書でもまとめ方の単元があり
生活科・理科や社会でも必要なスキル
その児童のニーズにも合わせて楽しく活動するために
母国についての新聞を書くことをその子に提案しました。
正直、どうかな~?と思っていたのですが
その子はクラスで紹介することも含めて快諾しました。
訓と音の授業で「山」というワードに目を輝かせたので
きっと、級友や先生に紹介したかったのだと思います。
ただ、まだコミュニケーションを取れる段階ではなかったので
ガイドブックや旅行パンフレットやネットで情報収集し
下のようななぞり書きプリントを作り
本人に確認を取りました。(通じていたかは、?ですが)
母国紹介なぞり書き新聞
1枚目:白黒のなぞり書きで、学校で書く新聞の形式を知ったり
日本語の単語を知ったりする。
最終的にクラスで紹介するために、何をするのか見通しが持てる
よう、3枚目のカラー枠(清書)も一緒に提示して意欲を高める。
2枚目:白黒の枠と写真や図だけのプリントに1枚目を見ながら
自分で文字を書く。
3枚目:2枚目を見ながら、清書する。
ぼやかしていますが、完成はこんな感じです。
縦書き、横書き両方あります。
漢字の練習も必要だったので在籍学級での学年までに国語教科書に
登場しているものは漢字で書くようにしました。
左下の時差のクイズは時差だけ書いておいたら
本人が時計の針をかいていました。
時差クイズの答え部分には、めくって答えを見る紙を
貼りました。
日本語の授業は、一つの学習を短く切り替えることで
遊び出す余裕を与えない😅ようにする必要があったので
完成までに、何日かかかっています。
完成したら
朝の会で
日直の「他に何かありますか?」の後に挙手する所から
「新聞を書いたので、見て下さい。クイズもあります。」
と言う練習も淀みなく言えるまで繰り返しました。
職員室の出入りの練習も兼ねて
カラーコピーを本人が職員室に渡しに行きました。
職員室の出入り口に掲示していただいたので
いろいろな先生方の目に触れたようです。
はり出して下さったのはいつも気にかけて下さっていた
管理職の先生でした。
この活動を通して
担任の先生、級友、他の先生方に声をかけてもらえたことで
自己肯定感が高まり日本語習得への意欲も高まったようでした。
校長先生もよく様子を見に来て下さって
児童は緊張しつつも嬉しそうで、ありがたかったです。
児童のニーズについて考える
学級担任のときは、充分なことをしてあげられなかった私にとっても
海外ルーツの子どもの母文化尊重の大切さを実感する経験でした。
この方法がたまたまその子にはまったのかも知れませんが
学校の中で役に立つ日本語指導の大切さと
海外ルーツの児童のニーズについて考えさせられました。
もっと多くの国のなぞり書き紹介新聞や
パンフレットが豊富にあれば
学級の中で日本語指導を要する児童が活躍でき、
在籍学級の児童にとっても現実的な異文化交流が可能です。
期待しているのは
国際関連の高校生や教育学部の学生さんこそ
お洒落で効果的な教材を作成する高いスキルをもっているのではと
想像します。
部活とかサークルとかで作っていただいて、ダウンロードできるように
していただけたら良いなあ。いかがでしょうか。
みなさま、お忙しいこととは思いますが
周囲に力を貸してくれそうな方々がいらしたら
お声がけしてみていただけると嬉しいです。