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ワークショップ4 「中小企業のイノベーション」~TISP (Tokyo Innovation Summer Program) 2021 宮崎編~ 参加者レポート

2021年度第4回レギュラーワークショップ

テーマ:「宮崎県の中小企業のイノベーション」

ファシリテーター:2020年度i.school修了生

スケジュール:
第1回運営ミーティング:6月23日(水)19:00-20:30
第2回運営ミーティング:7月7日(水)19:00-20:30
準備会DAY1:7月14日(水)19:00-22:00
準備会DAY2:7月15日(木)19:00-22:00
準備会DAY3:7月28日(水)19:00-20:30

事前学習会:
7月3日(土)13:00-16:00 
7月30日(金)14:00-16:00

宮崎編本番日程:
8 月2日(月)‐8月6日(金)
9:00-16:00(一部17:00まで)

プログラム詳細につきましてはこちらをご覧ください。

【運営ミーティング(6/23, 7/7)】


高校生と大学生が共にイノベーションを創る、TISPの熱い夏。TISP(Tokyo Innovation Summer Program)とは、2013年からi.schoolが行っているプログラムで、フィールドワークとワークショップを通じて、新しいアイディアを出す方法を学ぶ機会です。

運営ミーティングではi.school通年生が宮崎県の高校生に向けて、これまで学んだワークショップの経験を活かしプログラムを設計しました。

【第1回運営ミーティング(6/23)】
1)TISP・宮崎大宮高校の紹介
まず、宮崎大宮高校の探究学習カリキュラム設計に携わっている根本さんより、今年度のTISPや宮崎大宮高校についてお話を伺いました。宮崎大宮高校は文部科学省よりスーパーグローバルハイスクールに指定され、「グローバル共創」学習モデルを推進しています。


2)高校の先生方からのご挨拶
次に、宮崎大宮高校の先生方が合流され、自己紹介をしていただきました。先生方からは、

「大学生は高校生にとって憧れの存在。」
「今年のTISPも奇跡的な場にして欲しい。」


という熱いお言葉をいただきました。


3)チームごとにミーティング
最後に、通年生は企画運営チームとデザインチームに分かれてミーティングをしました。私はデザインチームに参加し、TISPを盛り上げる制作物について打ち合わせをしました。

【第2回運営ミーティング② (7/7)】
1)チームごとにミーティング
まず、チームに分かれて進捗の共有や検討事項についてミーティングをしました。デザインチームではしおりや記念品のデザイン、制作スケジュールについて打ち合わせをしました。


2)高校の先生方を交えての打ち合せ
次に、宮崎大宮高校の先生にご同席いただき、各チームより検討事項の確認をしました。先生方と打ち合せを重ねることで、当日のワークショップの解像度とモチベーションがぐっと上がっていきました。

三笘 源
九州大学大学院 芸術工学府 デザインストラテジー専攻
2021年度 i.school通年生

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【準備会 (7/14・15・28)】


7/14・15・28は本番に向けた準備会が行われました。


【準備会1日目 (7/14)】

当日のDP*役と高校生役に分かれてワークショップ・アイスブレークを体験し、DPのふるまい方について気を付けるポイントを共有しました。

*ディスカッションパートナー(DP)とは、各グループで進行や議論をサポートしたり、メインファシリテーターを連携してワークショップの質を高める役割のことです。


具体的には、

- 大学生・高校生が壁を感じにくいようにあだ名で呼び合う
- ワークの意図が伝わるように具体例を用いて説明する高校生のサポート役のDPがアイディアを出しモデルとして機能する
- リアクションやクレドの共有により心理的安全性を確保する
- 高校生だけの議論の時間を設けたり高校生に進行を任せるなど高校生の学びを促進する

といった数々の要素が挙がりました。

また、WSの流れについても議論がなされ、例えば「企業の強みの活かし方」の議論が事実の解釈ではなくアイディア出しになってしまい、本来のワークの意図と違う状況になった場合でも、1回そのまま進めてすべてのワークをやってみると高校生自身がワークの意図に気づいてくれるのではないかという意見が挙がりました。

【準備会2日目 (7/15)】
1日目の議論で上がった意見に留意しながら、準備会2日目はDP・高校生の役割を変えてもう一度WSを実践したところ、より上手くワークできたと感じました。
準備会3日目までに数回ミーティングを開き、各自が準備を進めてきました。ミーティングを重ねるたびに、スケジュールや高校生・大学生の動きなど細かな点がクリアされ磨きがかかっていきました。

【準備会3日目 (7/28)】
準備会3日目はいよいよ本番前の最終確認となり、高校の先生方も交えながら当日の流れのおさらいやDPの心構えの再確認などを行いました。きっと本番当日は事前に準備したものがしっかり活かされるだろうなと期待がふくらみました。


稲富翔伍
東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻
2021年度 i.school通年生

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【Day1,2 (8/2,3)】


i.school生の運営ミーティングや高校生と合同の準備会を経て、万全の準備のもといよいよTISPが始まりました。


5日間のうち最初の2日間では、宮崎県の中小企業のご協力を得て、各社を訪問するフィールドワーク、そしてそれをもとにして企業の強みを分析するワークが行われました。


【Day1 (8/2):フィールドワーク】
6チームがそれぞれ担当する企業を訪問し、実際に業務を行っている様子を見学したり、インタビューを行いました。
事前に自分たちでリサーチした内容から質問事項を考えていましたが、実際に工場やオフィスの様子を拝見すると現場の雰囲気や業務の奥深さに直に触れて次々と知りたいことが生まれ、Zoom上でリモートで参加したメンバーも含め、多くの質問が飛び交いました。

インタビューからはWeb上では得ることのできない、お話を伺うことができました。

「この土地で世界に誇る事業が展開できることを証明したい」
「地元の産業と環境を守る企業でありたい」

など経営者の皆様の事業や地元への熱い想いを知ることができ、5日間のプログラムで考え抜くアイディア発想の軸を意識することができました。
各チーム担当する企業に加え、もう1つ別の企業の様子も伺いましたが、同じ宮崎で異なる視点から地元に貢献する先進的な取り組みを目の当たりにし、アイディアを考えるうえで非常に有意義な時間となりました。


【Day2 (8/3) 企業の強み分析】
2日目はアイスブレイクから始まりました。各チームでチーム名とチームのポーズを決めましたが、企業の看板商品名、メンバーが好きな曲、地元の名物など様々でした。
ワークでは1日目に行ったインタビューの内容を再度確認しながら、担当するチームの企業の強みを洗い出しました。

今回のアイディア発想のテーマは、

企業の強みを活かし、将来予想されるニーズにこたえる新規事業の立案

この企業にしかできないことは何か、この企業が事業を通じて成し遂げたいと考えていることは何かなど、普段考えることのない内容に苦戦する場面も見られましたが、インタビューで得た知見を活かそうと懸命に取り組んでいました。
柔軟な思考を持つ参加者の皆さんからは強みを意外な活かし方も飛び出し、この分析がどのような新しいアイディアに繋がるのか非常に楽しみに思えました。


渡邉俊介
東京大学経済学部金融学科
2021年度 i.school通年生

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【Day3 (8/4)】


Day3では、先ずDay2で分析した企業の強みの活かし方(応用可能性)を考えました。そして、未来シナリオから導き出した未来ニーズと掛け合わせて、アイディアを発想しました。


ただ思いつきでアイディアを作るのではなく、しっかりニーズを意識しながら作るという考え方は、高校生にとって新鮮だったようです。
当然のことながら、このニーズを強く意識するという姿勢は、TISP以降も何か企画を立てる際には、非常に重要になるので、良い経験になったのではないかと思います。

企業の強みの活かし方を考える際に、私にはとても思いつかないようなものが沢山出てきたことが印象的でした。私のグループの高校生たちは、日常生活で感じたことや授業で習って印象深かったことをしっかり記憶に留めておくことで、ユニークな知識の引き出しをたくさん作っている生徒が多かったようです。
結果として、様々なバックグラウンドを持つ者同士が独自の視点からの独自の意見をぶつけ合えたことで、初めてのアイディア発想にしては、中々面白いものが出来上がりました。まだピンときてないかもしれませんが、雰囲気だけでも共創の力、可能性を感じてもらえた感触がありました。

最後にはアイディアを評価し、より良いアイデアを作るために、アイディア発想プロセスのどの部分を修正すれば良いか考えました。私のチームでは、ニーズを考える際に5w1hを考えなかった為、結果的に誰の為のものか分からないアイディアができてしまったという反省点が挙がりました。


翌日に向けて、堀井先生からのアドバイスにもあったように、その企業だからこそやるべきことは何かという観点も大切にしながら、よりよいアイディアを再発想したいと思いました。


大場爽一朗
東京大学文学部人文学科美学芸術学専修課程4年
2021年度 i.school通年生

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【Day4 (8/5)】


TISP4日目に入り、高校生同士も議論がより活発になってきました。Day4では、Day3で行った1回目のアイディア発想へのフィードバックを受けて、プロセスを再試行しながらより良いアイディアの再発想を試みました。


◇プロセスの見直し
Day3で行った1回目のアイディア発想のプロセスで、どの部分に問題があったのか、そしてどのプロセスをどのようなことに気をつけて再試行すればよりよいアイディアが出るのか、Day3で考えた再発想のプロセスをチームごとに全体で共有しました。

その企業だからこその強みを活かせていなかったという点や未来ニーズの出し方に問題があった等といった改善点が見られました。自らの担当する企業だからこそできる、強みを存分に発揮したアイディアを出せるよう、各チーム再発想に挑みました。


◇アイディア再発想
考えた再発想のプロセスを元に、より良いアイディアを出すべく再試行していきました。どうやったらいいアイディアが出るのか、高校生同士議論が白熱し、頭を悩ませながらも懸命に取り組んでいました。

特に今回は企業の強みがしっかり活かせているかと言った視点がとても重要なワークショップであり、堀井先生のフィードバックを受けながら、自分たちの担当している企業にしかできないことは何か、苦戦しつつも議論していきました。

各チーム、再発想からアイディアをひとつに絞るところまでかなり頭を悩ませながら進んでいきましたが、翌日の発表に向けてアイディアの精緻化までを行いました。

松谷春花
東京大学文学部人文学科美学芸術学専修課程3年
2021年度 i.school通年生

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【Day5-最終日 (8/6)】


8/6はこれまでの4日間のワークショップを元に、アイディアの仕上げと最終発表が行われました。

午前中はこれまで通り各チームに分かれてブレイクアウトルームで議論を行いました。高校生が宿題として作ってきてくれた4コマの紙芝居を元に、自分たちのアイディアをわかりやすく説明できるような例を考えるとともに、最終発表に向けた練習が行われました。実際にサービスを使う人を想像し寄り添った話が可愛い絵とともに作られていたのが印象的でした。

午後は、高校生がインタビューに訪れた企業の方々をお迎えし最終発表会が行われました。私がDPを担当したチームはトップバッターだったこともありみな緊張していましたが、高校生はわかりやすく落ち着いた語り口で5日間で考えた最高のアイディアを披露することができました。

他のチームも非常に斬新で面白いアイディアを発表し、各企業・高校の先生方・i.schoolエグゼクティブディレクターの堀井先生それぞれからお褒めの言葉をいただくことができました。

5日間を通して、話の振り方やアイスブレイクを通じた心理的安全性の確保、議論に行き詰まったときの対処などDPとして進行を行う立場の難しさを実感しました。また、はじめは議論に慣れず発言を躊躇していた高校生が最後は積極的に参加し自分たちだけで議論を進められるようになるなど、ワークショップを通じて成長していく姿を目の当たりにし心を打たれました。彼らの柔軟性の高い意見や積極的な姿勢など、私も非常に多くのことを学ぶことができました。

今後も通年生のワークショップは続きますが、このTISPで得た知見を元にさらに議論を深められるよう精進していきたいと思いました。


久手貴就
一橋大学商学部2年
2021年度 i.school通年生

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