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目に見えない資本主義/田坂 広志 を読んで

この本は、リーマンショック後の経済危機を背景に現代の資本主義が直面する課題について書かれていますが、コロナ後の今でも十分に通用する内容だと思いました。
資本主義経済は、利益だけが追及され、おかしな方向に向かっていると感じているのは私だけではないと思ます。

この本でも語られていますが、市場原理を追求した結果、利益を上げている(短期的に)企業だけが評価され、それが株価に影響し企業評価とされる現代の問題点なのだと思いました。
企業は『社会的責任』とか『法令順守』とか言っていますが、短期的な利益を上げなければ社会から見放されるため、いつしか『社会的責任=企業が損害を受けない程度の社会貢献=見た目は清廉潔白』『法令順守=法律に触れていなければ何をしても良い』みたいな風潮でなんだか倫理感が軽く扱われているのではないかとこの本の筆者も言っていました。

資本主義の未来についても語られており、生産性や効率を追い求めた結果、置き忘れられた社会貢献(企業の存在価値)やお客様から愛される企業へまた立ち戻るのが重要なのだと感じました。
著者は、人の労働以外の活動を「目に見えない資本」と捉え、環境を含む社会資本と併せて、共感、自発、参加型経済による新しい価値の資本主義を提唱しています。
また日本の企業は、古くからこうしたスタイルを実践しており、次の新たな資本主義時代にも充分に対応出来ると説いています。

次の資本主義「ポスト資本主義」がどのようなものになるのか、とても興味深く感じました。
自分は、お金が全てになっているこの世の中から、心の豊かさや他者との共存が新しい価値観として評価される優しい時代が求められていると思いました。
(と言って、私はこの社会ではじかれた負け組人間なので、次の時代で再起をはかりたいと思います。)
そのためにも、自分の内面をこれからも磨きます。

こんな私でも、散歩しながら、この本が読めました。
オーディオブックでながら聴き、皆様も試してみてはいかがでしょうか?


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