躁うつ闘病記 vol.5
こんにちは。天気は快晴。立冬を迎え、季節状では冬となりました今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
早速ですが宣伝です。今年もありますありますピンク映画の祭典、「OP PICTURES+フェス2024」テアトル新宿にて、2週間限定上映決定です。私の新作となる『ネトラレ、純愛。』という映画も、ここで公開されます。
主演は天真爛漫・栗山莉緒さん。ピンク映画初出演・初主演になります。そして、お次は新井リマさん。こちらはピンク映画初出演どころかお芝居自体初めてだったとのこと!最後を締めるのは、松岡すずさん。僕が他の現場で惚れてしまった女優で、ピンク映画は初出演になります。
7月の酷暑の中、3日間での撮影でした。主人公とその相棒だった栗山さんと新井さんは2日間、松岡さんは1日間での撮影でした。皆さん、主戦場はAV現場ということで、慣れない映画現場に苦労もあったでしょうが、必死にお芝居を続けてくださり、3日間共に早い時間で終わり、スムーズな現場でした。
今後、実際の上映日や上映時間が発表され、そのうち予告編も公開されるかと思います。是非気になる方は、ご覧ください。少々不安ではありますが、舞台挨拶も準備しております。
またまた、今回の作品では妻の生田みくとともに、劇中でも結婚を報告するという内輪ネタのシーンも撮影しています。ぜひ生田みくのファンの皆様も、お越しくださいますと嬉しい限りです。
詳細はOP PICTURES+公式サイトで順次発表されていきます。こちらでも続報入り次第、更新させていただきます。
とまぁ、今の段階でお伝えできるのはこれくらいです。
ということで、元の日記に戻ろうかと思います。
日に日に、病状の快方を感じる今日この頃。しかし、いまだに映画は見られず。この前、Netflix『極悪女王』の1話を見ていただが、いろんなシーンで、過去の出来事や今の自分の状況が想起され、注意散漫に鑑賞してしまった。特に主人公と父の関係性が、自分の父とも少し被るところがあり、その過去をずっと思い返していたら、知らぬまに全く別のシーンに切り替わっていてついていけなかったり。OPフェスが開催されている頃には、映画を観られるようになっていると嬉しいだが、こればかりはよくわからない。
それから最近、よく変な夢を見る。それが毎度悪夢なわけで、少し悩みの種である。舞台挨拶で一言も話せなくなるという夢は前回の記事で書いたが、今回もまた変な、でも絶対に病状に関連する夢を見た。
【前回の記事はこちら】
大きな大学の綺麗なキャンパス内で、なぜか春休み期間中、そのキャンパスの一室を根城に生活をしていた自分。春休みが終わり、学生たちがやってきた時、遂にバレるという夢。その場の異物として、完全に認識された私は、逃げ惑うように広いキャンパスを大荷物を抱えながら走っていく夢だった。まるで今の私と今の社会との断絶を意味するかのような夢に、うなされ起きたのを覚えている。
ただそういう少し悩みの種はありつつも、確実に快方に向かっているのだ。それは、後輩の誕生日祝いでアウトレットに行った日のこと。うつ状態を始めて告白したのは彼だったので、病状は割と序盤から認識してくれていたのだが、「かなり平常時に戻ってきてますね」と言ってもらえた。「まだいつもの堂ノ本さんではないけれど、でもかなり近くなってきてます」と。その発言はまるで、元の堂ノ本という人間を真似ている人間かのように思えたが、でも彼が言うならそうなんだろう。
それから、うつ状態になって以降禁じられていた自動車の運転を解禁してみた。以前の撮影現場で何度も通った道だったので、そして同乗者が横にいたので、運転させてもらった。奈良にいた頃から、というか免許を取った18歳の頃から、完全に車社会の一員だった私にとって、都会の電車社会はまだ馴染めず、やっぱり自分の足でアクセルを踏み、ハンドルを握って、どこかへ向かうという運動は、気持ちのいいものだった。
アウトレットでは、大量の服と靴を購入。昔から憧れていたオーバーオールも試着してみたが、思ったよりしっくり来る。けれど、自分では判断がつかないから嫁に写真を送ると、「TKOの木下みたいだね」と返答あり。泣く泣く購入を断念した。
最近は、図書館で俳句の本を5,6冊借りては、喫茶店で読み、喫茶店内の会話やその本の中で思いついた風景や会話を俳句にしては楽しんでいる毎日。結局10月は113句作ったのに対して、11月はまだ序盤にも関わらず既に80句作っている。俳句への傾倒具合がわかる数字だ。
俳句は映画にとても近い。一つの状況を、どの順番でどのレンズで、どのサイズで収めるか、そしてその前後のカットはどう切るのか。殆ど考えることはその作業ばかりだ。もちろん、知識の少ない私には、そこに「季語」という強敵が混じるわけだが。映画は、運動が感情を引き連れてやってくる芸術であるが、俳句は描写が感情を引き連れてやってくる芸術だ。そこに惹かれて、続いているのだと思う。
もう少し、もう少し上手くなっていったら、句会や俳句結社への入会なども考えてみたい。もっと上手くなりたいし、もっと他の人の俳句に触れたい。きっとそれは、自分の映画作りにも続いている道だと思うから。
と最近は、そんなことを考える毎日です。起きて、気分が落ち込んでいなくて、猫がにゃーと挨拶してくれる。今はそれだけの幸せを噛み締めて、焦らず、じっくり、ゆっくり、この鬱と戦っていこうと思っています。