洗う
空を見上げる、雲は流れる
手には泥だらけの昨日、握りしめ
水は冷たく、時間は流れる
洗う、洗い流す、過ぎた日々を
泡になって消える思い出たち
でも、どうして、消えないの?
この手の中の、焦りの色
石鹸の香り、純粋な白
きれいになれると信じていた
でも、ほら、まだ汚れが
指の隙間に、隠れている
水滴は落ちる、時計は進む
でも、この心は、まだ汚れたまま
「もう時間だよ」と、誰かが言う
でも、まだ洗い足りないのに
洗い続ける、止まらない水
でも、洗い流せないのは、なぜ?
昨日の泥は、もう消えたはず
でも、心の中の、この焦りは
「きれいになる」と、また手を伸ばす
でも、終わりが見えない、この洗い物
空を見上げる、雲はまだ流れる
洗う、洗う、でも、まだ足りない
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