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よふかし

僕は夜更かしがあまり好きではない。夜更かしして日付をまたぐと必ずと言っていいほど、次の日は体調を崩す。

昔から夜更かしには憧れていた。
幼稚園のときは19時、小学生のときは20時、中学・高校のときは21時に就寝していた。次の日学校に登校すると、クラスメイトたちが前日にやっていた流行りのバラエティ番組やドラマの話題で盛り上がっている。もちろん僕はその話題の輪の中に入れるはずもなく、「トゥース!」も「ラッスンゴレライ♪」も同級生が教室内でやり出してから、こういうお笑いが流行っているのかと知った。
夜更かしは、大人がやるものだと思っていた。大人の何にも縛られない自由な時間で、大人の専売特許的時間だと思っていた。だから、子どもの自分には踏み入れることが許されないとも思っていた。
今は23時に寝ている。自発的に。気持ちは夜更かしを求めているのだが、睡魔は23時に僕を布団に連れて行く。
22時に眠くなってくるので、その瞬間寝ればいいのだけれど、早く一日が終わってしまうようで、もったいない気持ちと寂しい気持ちが入り混じって、本を読んだり、文章を書いたり、明日の予定を確認している。

来年度は社会人になる。ご時世的に開かれることは少ないと思うが、飲み会に参加しなければいけなくなるのだろう。
僕はとても危惧している。眠くなってしまわないだろうか、と。
どんなに楽しく話をしていても21時になると眠くなり、口数が減る。どんなに面白い話を披露されても、21時以降に話されたら絶対に笑わない自信がある。眠くてBGMになってしまうからだ。
同期なら「わりぃ、眠いから帰るわ」と付き合いが悪いと思われようと、言う勇気はある。しかし先輩と一緒だった時、そんなことは口が裂けても言えないのは十分わかっている。
手の甲をつねったり、トイレに行くふりして冷たい水で顔を洗ったりして、ごまかしごまかし時間をやり過ごすしかないのだろう。

めんどくさくなってきた。
本当に起こるかどうか分からないことを考え過ぎても、実際にその状況を体験しないと、何とも言えないことは分かっている。
眠くなってきた。
夜更かしが出来ればこんな悩みは生じなかったのに。「寝る子は育つ」なんてよく言うけど、夜更かしにも慣れていないと「よい子」にはなれないのだなと眠い目をこすりながら、22時30分にこれを書いている。

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