いさお
小学校中学年の頃、クラスメートがこんなことを言っていた。 「サンタって、この世にいないんだぜ!サンタって親なんだぜ!」 自分の家では、毎年プレゼントが届いていた。毎年、その年に欲しいものが12月25日の朝には、枕元に置いてあった。当時の僕は、欲にまみれた外世界のことはあまり知らず、僕の世界というのは小学校と家の二つで成り立っていたほど、純粋だった。そんな純粋だった僕は、もちろんその時もサンタは実際にいると思っていたし、そのクラスメートは嘘をついているのだと思っていた。
] 誰かと協力をするとか、みんなで頑張るとかが苦手である。 自分のケツは自分で持ちたい。 それは誰かと協力するとどうしても他人のやる気や行動が気になってしまうからだ。他人がマイペースであればあるほど、こちらは乱される。 自分のペースは自分で握りたい。疲れたら少しスピードを落とし、落とすことにとやかく言われる筋合いもない。やる気があるときにどんどんと進めていきたい。怠惰な生活を好むからやる気が出た時に進まないと、永遠に進まないことを知っているからだ。 自己中な性格も起因して
最近、定時退社することにハマっている。 朝、タイムカードを押す瞬間に定時で帰ることを目標にする。定時で帰宅するために1日のタイムスケジュールを簡単に整理する。 追加の仕事をできるだけ生まないように、とにかく効率重視で仕事を進めていく。終業時刻の30分前には1日の業務をすべて終え、明日の準備に取り掛かりながら時間を待つ。 そして定刻通りタイムカードを押す。 小さい頃から家が好きなのだ。 終わりの会に先生が黒板の前で話をしている最中、ランドセルに教科書や筆箱を詰める。「起立、
社長直々に声をかけていただいた。 「いさお、この間すごかったじゃないか!」 この間、とは勤めている会社で売上促進強化期間があった。その期間に、たまたまぽんぽんと次々に売上をあげた。偶然の産物が目に止まった社長が声をかけてきた。 毎朝行われる全社員が参加する朝礼で、社長は僕の名前を出した。今までかけられたことがない賛辞に僕はひたすら恐縮するしかなかった。 目立ちたがり屋のくせに、目立たないキャラを突き進んできた。小・中と頭が良いと周りから言われていたけどテストで学年1位
最近、運が良すぎて気味が悪い。 2024年からずっとうまくいかず、むしろ悪い方へ悪い方へと突き進んでいる時期が思いのほか長かった。 ところが9月から不運の呪縛を抜け出したのか、いいことが立て続けに起きた。それなりに苦しんだのだから少しくらいいいことがあってもいいよねと呑気に思った。むしろ少し遅すぎやしないか、神様?と軽く八つ当たりもしてみた。 大体、1ヶ月いいことがあると翌月は無難な1ヶ月となる。しかし10月も勢い衰えることなくなぜかツイていた。 11月に入り、まだ片手で数
部長『最近、調子がいいじゃないか』 いさお「いや、たまたまで」 部長『おいおい、いさお。そんなネガティブな言葉はいらないんだよ。絶好調です!とかもっと景気のいい言葉は出ないのかね。ポジティブな言葉じゃないと聞いているこっちもちょっと損した気分になるだろう』 こんな会話を部長とした。 部長はおじいちゃんである。時々ジェネレーションギャップを感じるときがある。 『調子はどうだ?』『絶好調です!』という部下との会話が好きな部長である。体調が悪くても「絶好調」と返すと部長は喜ぶ。
散歩のしやすい季節になってきた。 うだるような暑さが去り、凍えるような寒さが訪れる前の気候。この気温、好きだなぁと思いながら歩いている。 汗っかきな自分は散歩のしやすい季節になってきた。 汗っかきな自分は夏が苦手である。 すぐに汗は噴き出してくるし、5分も経ったらTシャツの色が変わるくらい濡れる。着衣のままシャワーを浴びたのか?と勘違いされるくらい体中の水分が外に放出される。 寒いのも嫌なのである。厚着をすると歩きにくい。少し薄くするとお腹が痛くなる。お腹が弱いから冷える
異動者の歓送迎会が開かれた。苦手な飲み会が開催された。 また居心地の悪い時間を過ごすことになるのか。その日は朝から憂鬱な気持ちだった。 飲み会はやっぱり苦手だ。人生でもう6度目になるのにどうしても慣れない。 お酒が飲めないから周りのテンションについていけないし、雑多に騒がしい空間が嫌なのである。最初はできる限り、楽しんでいる雰囲気をなんとか無理して出しているのだが、30分も経てばエネルギーは切れ、眠くはなるし早く帰りたくなる。 今回も周りに気を遣わせてしまい罪悪感に苛まれ
10月、この変な時期に異動があった。僕は幸いにも異動する側にはならずに済んだ。 異動してきたのは1つ後輩の男の子。ついに僕にも後輩ができた。 異動してきて初めて車が一緒になったのは僕だった。彼の心中、お察ししますと申し訳なさと緊張とが入り混じっていた。 変わった環境の初日に、歳の近い先輩が無口でぶっきらぼうでつまらない奴だと、新しい職場で働く未来に不安を感じさせてしまう。 何事もファーストインパクトである。努めて、無口にはならないようにしよう。そう心に誓った。 彼はとてもフ
職場の先輩と僕、後輩2人の4人でご飯に行った。 この食事会、楽しみではあったのだがやはり3人以上の集まりが苦手だった。 大人しくしていたら3人の間で会話が回り始めた。それに対して文句はない。なんせ3人以上が苦手なのだ。会話に入れず気まずいまま、早く帰りたいなぁなんて思っていた。 先輩は営業成績がいい。この食事会の少し前に大きな成果を出したばかりだった。同僚で集まれば自然と先輩の営業成績の話に移る。 後輩A「○○さん(先輩)、この間すごかったじゃないですか~」 後輩B「さ
『踊る大捜査線』が再放送されている。 小さい頃は警察官がかっこよく見えた。刑事ドラマを見ることが多かった。『相棒』や『科捜研の女』よりも、『あぶない刑事』や『踊る大捜査線』が好きだった。 昨今よく見る、頭を使いながら視聴するドラマが本当に苦手な自分が、時折挟まれるギャグやコントに笑い、街中を疾走するパトカーに憧れ、事件の裏側にある登場人物の心情に心を動かされた。 生まれた時にはすでにドラマは終了していて、スピンオフドラマは物心つく前に放送され、リアルタイムで観たのは映画だ
僕の人生は、寂しい人生である。 寂しくなったのは大学生の時から。「人生の夏休み」と俗に言われる大学生活はずっと1人ぼっちだった。 近所の大学に進学したため、自転車で20分漕いで通っていた。 スクールバスにぎゅうぎゅう詰めにされた苦労を経験したわけでもないし、電車1本逃しただけで遅刻確定、というスリルを味わうこともなかった。 だけど、最寄りの駅や近場の栄えている駅で友人と買い物をしたり、飲み会に参加したり、そういった通学間での楽しい経験をする機会がなかった。 唯一の楽しみと
職場に先輩風を吹かす人がいる。 職歴は5年違うが、年齢は1つしか違わない。地元も割と近く地元話で盛り上がることもしばしばある。 年齢が近いせいもあって、最初は近所のお兄ちゃん的存在だった。職場でいじったり、いじられたりする、傍から見たら良い関係性に映るような存在だった。 職場の外でも仲良くしてもらった。仕事の先輩と初めてご飯に行った。焼き肉を奢ってくれた。人生の中で片手で数えられるくらいしか焼き網の前に座ったことがない僕に、快くご馳走してくれた。 このままこの人と仲良くして
仕事で、後輩の女の子と車が一緒になった。 午前11時頃、午前中の業務が終わった。 「お昼ご飯、どうする?」と聞くと、「○○(もう1人の後輩の女の子)はマック行ったみたいで」と答えた。 後輩の女の子2人はとても仲が良い。常にニコイチで、逆に見てるこちらが引いてしまうくらいベタベタである。 素直に、マック行きたいです!と言ってくれれば行くのにな、と思いつつ、自分も後輩のときにはあんまり自分の意志を通そうとはしなかったなと懐かしくも感じた。 11時にお昼を買いに行くことがちょっと
頑張っても報われないな、と思うことが多い。 残業が少ない部署にもかかわらず、気付くと周りには自分と上司しかいないことが増えている。 残業時間が長いと、残業多くない?と上司からの遠回しの注意、というか皮肉や嫌味を含んだ言葉をかけられる。 残業が少ない部署の中でまだ役職もついていない3年目の若造が先輩方よりも多く残業していることが、いけないらしい。 俺だって残業したくてしてるわけじゃない!と言いたいのだけれど、ここは社会だ。波風立たせず穏便に、「すいません」と心にも無いことを口
具合が悪い。 具合が悪いのにnoteを書いているのは、ただ単に暇つぶしと気を紛らわすためである。 自分の職場で2週間前くらいから体調不良者が続いて出ている。風邪を引いた人、目眩がひどくて家から出られなかった人、電車に乗っていて急に汗が止まらなくなり吐き気を催してしまった人。 異常な暑さは体力を奪い、免疫が落ちる。そこにちょっとしたバイアスがかかって体調を崩しやすくなってしまったのだろう。 自分もなんとか粘っていたのだけれど、ついに限界が来たようだ。 喉が痛くなり、声もなか