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端と端が繋がるルネッサンス期と現代の音楽/Matthias Engelke - Resonant Dowland [Gruenrekorder]
Artist: Matthias Engelke
Title: Resonant Dowland
Label: Gruenrekorder
Genre: Classical, Experimental, Electronics, Contemporary
Format: CD
Release: 2020
Track List
1. Weep You No More, Sad Fountains
2. Interlude
3. Sorrow, Stay
4. Flow My Tears
5. Come Again: Sweet Love Doth Now Invite
6. Go Crystal tears
7. Fine Knacks For Ladies
8. I Must Complain
9. White As Lilles Was Her Face
10. The Lowest Trees Have Tops
11. Lady If You So Spite Me
12. In Darkness Let Me Dwell
ドイツのフランクフルトに拠点を置く、サウンドアートなどの前衛的な音楽を輩出するレーベルGruenrekorderより、現代演劇の舞台音楽家Matthias Engelkeの作品。
アルバムのタイトル通り、ルネッサンス期に活躍した作曲家兼リュート奏者のJohn Dowlandの楽曲を現代的な解釈を基に電子音楽として蘇らせた作品。ぽつりぽつりと現れては消える幾何学的な形状をした電子音と静寂の中に響くどこか憂いを帯びたボーカルが、互いに散発的に絡み合う。音の形状が幾何学的な立体かつ空間が密ではなく疎であるため、音の一つ一つの動きが顕著に目立つ。そんな疎な空間をボーカルが瞬間的に空間を満たすので、独特な残響感を残す。現代音楽の面白いところは、音楽の歴史を一本の時間軸に例えたとき、一つの端は今現在、残りの端を初期音楽(ルネッサンス期もしくはそれ以前)とすると、どういうわけか端と端がつながりやすい性質がある、
もしくは相性が良いということである。単純なカバーやオマージュとは大きく異なり、アプローチの仕方が斬新であることは言うまでもない。
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