ノートが白すぎて頭痛がする!
三体Ⅱ黒暗森林・下巻を読破した。直後数時間、恐怖と混乱を感じ、考えが巻き起こって鬱になった(寝たり何とか風呂入ったり話したりするうちにマシになりました)。
読書はメンタルに良いかと思ってやったのに!
メンタル弱ってる人は、何やってもどんな刺激からでも鬱になり得るんだな~、になりました。(自分ほど病んでない人に話したら、「読書で鬱なることある!?」みたいな反応されて驚いた。三体みたいな、雰囲気暗くて先行き不透明で策略重なる未来の死戦の話、しかも情報量多い、いかにも鬱になりそうじゃん!!笑)
三体は、Ⅰ・Ⅱ上下巻・Ⅲ上下巻の合計5冊からなるボリューミーなSF小説。全て読破してから感想とか書こうかと思ってたけど、一冊 or シリーズごとに書いても良かったな……と(反省?)。
以下、多分未読の人が読んで分かるような肝心なネタバレはないけど、軽微な内容言及などはあるので注意!
どの巻にも、「声に出して真似たくなる名表現」が出てきて個人的に良い。
Ⅱ下巻のお気に入りは、”わたしがおまえたちを滅ぼすとして、それがおまえたちと何の関係がある?”
この表現はゲーテにちなんだものだが、構文として汎用性が高い&色んな物事に新しい視点を与えてくれる気がして、積極的に使ってみたくなりました。
あとシリーズを通して、魅力的な東洋人美女が度々出てきて印象深い&よい。やっぱり東洋人には黒髪が至高だよね(白や金に染めてた人が言うことではない)。でも魅力的な女性キャラが基本的に美人属性持ちだったり、たとえ何かの比喩だったとしても美しさの描写から逃れられないのは切ないなと思った。悪意ないのは分かるけど。
読破後、やつれて、寝てしまう前にせめて歯を磨こうと鏡を覗いたら、サラつやな黒髪に美しい瞳のあどけない東洋美人がいた。あなた誰ですか?
自分って、そういうものとは無縁の存在だと思ってつい数年前までずっと生きてきたから、自分の外面がそうなことは未だに信じられない気持ち。
自分は美の観測者ではあっても本体ではないだろう。
できるならずっと無縁のままの方が幸せだったろうと思うけど、一度意識してしまったらする前の感覚/世界には戻れないと思うし、女性に生まれた時点で、どんなに鈍感だったとしても死ぬまで気付かずに過ごすのは難しかった気がする(※女性は、恋愛など対異性の文脈に限らず、生活上のあらゆる時にあらゆる人からその目を向けられ判断されてしまう)。
初めて、女性に生まれない方がよかった可能性あるな、と思った。
ところで。
先が読めず絶えずどんでん返しが起こり、正しく見えない側が後に正しかったと分かる……。そんな展開の連続に最初は絶望を感じたけど、逆に希望だって見出せるんじゃないか?
淡々と生きて社会に馴染んで、社会的に認められる進捗を上げながら人生を進めてるみんなの方が実はおかしい側で、立ち止まって発狂してる自分こそが正しかったり、しない?
さすがに生きてる間にこれがひっくり返ることはないだろうし、自分が正しい根拠もない上に、自分自身苦しくてこれを脱したい気持ちだし。でもこの徒労が、何らかの視点において少しは意義あったりしたら、いいな。