
ニッポンのひな祭りと、コンゴの文化。
3月3日は日本のひな祭り。女の子の健やかな成長を願い、ひな人形を飾り、ちらし寿司やひなあられを楽しむ日。お雛様とお内裏様の雅やかな装いは、まさに日本の伝統的な「美しさ」を表現しています。
一方、アフリカ・コンゴ共和国にはサプール(La Sape)という文化があるみたいなんです。これは 「ファッションを通じて平和を表現する」 という、なんとも粋なムーブメント。パリの高級ブランドスーツをまとって、色鮮やかなシャツや靴で街を闊歩する紳士たち。彼らは貧困や戦争の影響を受けた歴史を持つ国の人々だけど、「俺たちはエレガンスで世界に抗う!」という気概を持っています
さて、ひな祭りとサプール、一見まったく違う文化に見えるけど、「美意識を通じて社会にメッセージを送る」という点では共通しています。
着飾ることで何を表現するのか?
ひな祭り:理想の世界を飾る
ひな人形は、平安時代の貴族の婚礼を模したもので、「こんなに優雅な暮らしができますように」と願いを込める。つまり、ひな祭りは 「こうありたい社会のモデルを人形で表現する」 文化なんです。
サプール:現実を超えるエレガンス
一方、サプールたちは現実に貧しい。でも彼らは「それが何だ?」とばかりに、華やかなスーツを着こなす。戦争や経済的困難に屈せず、「俺たちは優雅に生きる!」というスタンスを服装で示している。彼らにとってスーツは、単なる衣服ではなく、「平和と誇りの象徴」 です。
“ルール” のある美意識vs. 反骨のファッション
ひな祭りは「こういう形で飾るのが正解」と決まっています。一段目にお内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子……と、ひな壇の並べ方までカチッと決まっている。ひな祭りの美しさは、形式を守ることによって生まれ継承されています。
サプールはその逆で、ルールを破り、独自のエレガンスを追求する。例えば、普通なら合わせないような色や柄をあえて組み合わせてみたり。「ダークグリーンのジャケットに、ピンクのパンツ?最高じゃないか!」みたいな感じで、個性を全面に押し出しています。
つまり、
✅ ひな祭り → 伝統を守ることで美を表現
✅ サプール → 伝統をぶち壊して美を表現
ひな祭りは「型にハマる美」、サプールは「型を壊す美」なのだ。
“お金をかける” という共通点
ひな人形ってめちゃくちゃ高い。豪華なものだと数十万円~100万円以上するものもある。サプールのスーツも同じく高価で、彼らは 年収の何倍ものお金をスーツにかける こともあるみたいです。
でも面白いのは、どちらも「実用のため」ではなく、「社会的な意味を持たせるため」にお金をかけていること。ひな人形は子供の成長と家庭の繁栄を願い、サプールは「平和と誇り」を示す。どちらも「単なる贅沢」ではなく、文化的・精神的な価値 を持っているのがポイントだ。
美意識は社会を映す鏡
ひな祭りとサプールは、「着飾ることの意味」がまるで違う。でも、どちらも「美意識を通じて何かを表現する」という点では共通しています。
✔ ひな祭りは、理想の世界を飾る文化
✔ サプールは、現実に抗い、エレガンスで社会を変える文化
外から見たら、不思議な国ニッポン。
僕たちが当たり前だと思っていることは、海外では「とんでも」だったりする。そんなことを想像しながら、この3月3日を過ごしてみるのも面白いかもしれないですね。
ひな祭りの静寂な美しさと、サプールの鮮やかな反骨精神。
どちらも、美意識が持つ「平和への願い」を象徴しているます。
齋藤ナオト