拙速は巧遅に勝る?
仕事術として「『丁寧だけど遅い』と『粗いけど早い』のどちらが良いのか?」というテーマは度々議論されますね。
全体的には「粗いけど早い」意見を支持する人の方が多いのかな、と感じます。
以前の記事でも取り上げましたが、Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグも「完璧を目指すよりもまず終わらせろ」と言っていますし「拙速は巧遅に勝る」という言葉もあります。
私も基本的にはそう思います。
特にインターネットが普及して以降世の中が変化していくスピードというのが早くなってきていると感じますので、ビジネスにおいてもスピード感というのは非常に重要なものです。
私もどちらかというと完璧主義に陥りがちなタイプなので、マーク・ザッカーバーグの言葉も自戒のために心に刻んでいます。
ただ、だからと言ってなんでもかんでも「拙速は巧遅に勝る」のかと言えばそうではないと考えています。
そもそも「拙速は巧遅に勝る」という言葉は「孫子の兵法」で有名な孫子の言葉とされているようですが、どうやらそれは誤りのようです。
参考↓
孫子と言えば「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉も有名ですが、
これも「ちゃんと相手と自分のことをリサーチして準備したら闘っても負けないよ」ということで、準備の大切さを説いているものですし、
基本的には全編通して「準備が大切」ということを言っています。
まあ当時の戦で考えなしに突っ込んでいったら文字通り命を失うわけですから当然といえば当然と言えます。
現代では失敗したからと言って命まで失うことはありませんが、それでも仕事によってその重要度は当然変わってきます。
費用を大きくかけて行うような仕事で「拙速は巧遅に勝る」とばかりに行き当たりばったりでガンガン進めて、結果売上が立ちませんでしたでは大きな損失になります。
そのような仕事では多少スピードが落ちたとしてもやはりある程度入念に準備をしてから望むべきでしょう。
反対に、例えば「新しい企画のたたき台を資料として作る」みたいな仕事の場合は、多少粗くても一旦とりあえず作ってみて、そこからブラッシュアップしていくような形の方がスピードも最終的なクオリティも良くなるでしょう。
仕事の内容に応じて早さを重視するのかクオリティを重視するのか、そのバランスを考えていかないといけないというのが真実なのかなと考えています。
こういったネット上の文章などでは基本的に言い切りで書く場合が多いです。
「成功したいならこれをやれ!」
「これはやってはいけない!」
みたいな感じです。
しかし、それらはポジショントークとしてそういった言い切りの形で書いていることも多く、
実際世の中も人間もそんなに単純なものでもないと私は思っていますので、そういった言葉を盲信するのではなく、
思考停止せずに状況状況に応じて何が一番適切なのかを考え続けていくということが大事なのかなと思っています。
少しでも参考になりましたら幸いです。
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