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140字小説【途切れない声】

私は生まれつきの聾唖だが補聴器は付けていない。聞こえづらい時もあれば、鼓膜が破れそうなほど大音量で聞こえる時もあるからだ。私はずっとこの難病に苦しみ、極力人と会うことを避けてきた。でもある日、誠実な彼に出会って気づいた。彼の声は途切れずにハッキリと聞こえる。私には嘘が聞こえない。

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こし・いたお
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