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「ねこ画伯」私はファンからそう呼ばれていた。十数年もの間、描き続けてきた。だがそろそろ引…
僕はずっと運任せに生きてきた。テストで選択問題があれば鉛筆を転がした。同じ日に2人から愛…
私は駆け出した。今しがた道を訪ねてきた青年を追いかけた。教えた道順の誤りに気づいたからだ…
真夏だというのにエアコンと冷蔵庫が壊れた。この前はご主人が熱中症で倒れた。この季節は家電…
骨董市で見つけた願いの石。握りしめて願うと願いが叶うという。風邪が治りますようにと願うと…
「もしも今、核戦争が起きてもここなら生き残れるかもしれないね」「そうなったらこのシェルタ…
ある夏の熱帯夜。外は激しい雷雨で強風も吹き荒れていた。テレビニュースでは護送中の殺人犯が逃走したと伝えている。私が一人暮らししているこのアパートから遠くない。雷の轟音と閃光を遠方の家族と共有したくなった私は、ベランダの窓にスマホを向けた。閃光が走った瞬間、カーテンに人影が映った。
彼女に誘導されながらゲームコーナーにやってきた。UFOキャッチャーに好きなアニメキャラのぬ…
買い取り専門店にやってきた私。ここは悪魔が寿命を高額で買い取ってくれる店。無論、訪れるの…
余命宣告され病床に伏す夫。安くていいものはないと安物買いを認めない。私は高品質じゃなくて…
私たちの家には小さな裏庭がある。私は食いしん坊な夫の食費を少しでも抑えるため、家庭菜園を…
妻と神社でお祈りをした。「芽が出ますように…」作家としての活躍を祈願した僕は、帰るといつ…
息苦しさで目覚めた。私は安さに釣られ怪しい美肌エステサロンにやってきた。裸で黒いシーツの…
自暴自棄になった私は腕のいい殺し屋に仕事を依頼した。苦しませずにターゲットを消すという噂だ。報酬を支払い消えるのを待っていた私。仕事は失敗に終わった。殺し屋は過去へ行き、過去の私を消そうとした。しかし過去の私がこう言ったらしい。「まって!私は売れっ子作家になるまでは死ねない」と。