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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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#創作

140字小説【ねこ画伯】

「ねこ画伯」私はファンからそう呼ばれていた。十数年もの間、描き続けてきた。だがそろそろ引…

こし・いたお
2か月前
4

140字小説【運命のコイン】

僕はずっと運任せに生きてきた。テストで選択問題があれば鉛筆を転がした。同じ日に2人から愛…

こし・いたお
5か月前
7

140字小説【間違ってなかった】

私は駆け出した。今しがた道を訪ねてきた青年を追いかけた。教えた道順の誤りに気づいたからだ…

こし・いたお
6か月前
6

140字小説【この夏を乗り切りたい…】

真夏だというのにエアコンと冷蔵庫が壊れた。この前はご主人が熱中症で倒れた。この季節は家電…

こし・いたお
6か月前
2

140字小説【願いの石】

骨董市で見つけた願いの石。握りしめて願うと願いが叶うという。風邪が治りますようにと願うと…

こし・いたお
6か月前
6

140字小説【最後の希望】

「もしも今、核戦争が起きてもここなら生き残れるかもしれないね」「そうなったらこのシェルタ…

こし・いたお
6か月前
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140字小説【忍び寄る者】

ある夏の熱帯夜。外は激しい雷雨で強風も吹き荒れていた。テレビニュースでは護送中の殺人犯が逃走したと伝えている。私が一人暮らししているこのアパートから遠くない。雷の轟音と閃光を遠方の家族と共有したくなった私は、ベランダの窓にスマホを向けた。閃光が走った瞬間、カーテンに人影が映った。

140字小説【掴めない】

彼女に誘導されながらゲームコーナーにやってきた。UFOキャッチャーに好きなアニメキャラのぬ…

こし・いたお
6か月前
6

140字小説【悪魔】

買い取り専門店にやってきた私。ここは悪魔が寿命を高額で買い取ってくれる店。無論、訪れるの…

こし・いたお
7か月前
7

140字小説【お金をかけるもの】

余命宣告され病床に伏す夫。安くていいものはないと安物買いを認めない。私は高品質じゃなくて…

こし・いたお
7か月前
3

140字小説【夫の好きな種】

私たちの家には小さな裏庭がある。私は食いしん坊な夫の食費を少しでも抑えるため、家庭菜園を…

こし・いたお
8か月前
3

140字小説【種を蒔いた妻】

妻と神社でお祈りをした。「芽が出ますように…」作家としての活躍を祈願した僕は、帰るといつ…

こし・いたお
8か月前
2

140字小説【おいしくなーれ】

息苦しさで目覚めた。私は安さに釣られ怪しい美肌エステサロンにやってきた。裸で黒いシーツの…

こし・いたお
8か月前
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140字小説【過去から届いたメッセージ】

自暴自棄になった私は腕のいい殺し屋に仕事を依頼した。苦しませずにターゲットを消すという噂だ。報酬を支払い消えるのを待っていた私。仕事は失敗に終わった。殺し屋は過去へ行き、過去の私を消そうとした。しかし過去の私がこう言ったらしい。「まって!私は売れっ子作家になるまでは死ねない」と。