〜桜夢色(さくらいろ) 〜

物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪

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〜 桜夢色(さくらいろ) 〜

淡いピンクの花びらが優しく微笑んでいる
可愛い桃色のお花がたくさん集まって
美しく、そして儚い時間を咲き乱れる
あなたは強く美しい、そして桜のように儚い時間を過ごす
ひらひらと舞い落ちてきた桜の花びらを手のひらに乗せ
私は、ゆっくりと桜の木を見る
ザーっと音をたてながら春の風が、枝をゆらゆら揺さぶらり、花びらを優雅に舞い踊らせる
その様子を気持ちよさそうに、髪を揺らせて眺めるあなたは、まるで春の精霊のよう
髪をかきあげる仕草に、うっとり見惚れる
『なに？』
『見惚れてただけ』
『なんだそれ？』
そう言って微笑むあなたは、とても柔らかく笑って私を抱きしめて言う
『なぁに？』
『大好き』
『私も大好き』
ギュッと力が籠もった腕の中にいる私は少し苦しくなる
『ちょっと苦しいよ』
『それだけ大好きって事だよ。ずっとこうしていたい』
頭を抱えるように愛おしく抱きしめるあなたを、私は想う
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少し落ち着いた私達は、手を繋ぎ桜並木を歩くことにした
愛おしくてたまらないとは、こういう事なのだろうか
ふと遠く見つめる私は、桜吹雪に酔いしれる
風が強く吹き一瞬目をつぶり、顔を下へと背ける
ザーっと音をたて桜達が騒ぎ始めた
目を開けると横にいたはずの、あなたの姿が見えない
グルっと周りを見渡して、もう一度自分がいる場所へと戻ってくる
どこへ行ったのだろう
あなたの微笑みが突然想い出へと変わる
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『君といると楽しくて時間が経つのが早いよ』
『私もそう思ってた』
あなたは、いつも優しく私を彩る
『君の笑ってる顔が好き。笑って？』
『そんな事、言われたら照れる』
あなたは、いつも私を温かく笑顔にする
『君の声は落ち着くから、ずっと聞いていたい』
『私は、あなたのそばにいるだけで落ち着くから、ずっとそばにいたい』
あなたは、いつも私を癒やしてくれる
·
ふわふわと思い描いた想い出が一気に押し寄せる
いや、思い描いた？
あれ？本当に初めからいたのだろうか
もしかしたら私は、桜に幻想を見せられていたのかもしれない
『ねぇ？あなたは私のそばにいてくれたんだよね？』
そっと消えそうな声で発した言葉に桜がハッとした
風が強く吹き一瞬目をつぶり、顔を下へと背ける
ザーっと音をたて桜達が騒ぎ始め、私は再び目を開ける
グルっと周りを見渡して、もう一度自分がいる場所へと戻ってくる
『どうしたの？』
『え？』
『そんな怖い顔して、何を考えてるの？・・・君の笑った顔が好きなんだけどなぁ？』
キョトンと目を丸くする私は、首をかしげる
夢でも見ていたのかな
『ねぇ？ずっとそばにいた？』
『ん？ずっと君のそばにいたよ』
『さっきいなかった気がしたんだけど』
『どこにもいかないよ？君のそばにずっといる。桜に夢でも見せられたんじゃない？』
そう言って微笑むあなたは、とても柔らかく笑って私を抱きしめる
『桜色に染まる君も大好きだよ。ずっとそばにいる』
『あなたがどこにいようと私は、あなたが大好きよ』
『そう・・・大好き・・・だよ』
·
桜が舞い踊る桜並木は、淡く美しく儚い夢の色
そばにいるだけが好きなんじゃない
あなたを想う気持ちが好きで大切なんだと、心のどこかで愛おしく感じる
幻想的にたおやかに、桜は優しい夢を見せる
ねぇ？桜夢色(さくらいろ)は、優しくあなたを好きでいる色って知ってる？
·
·
終

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