『傲慢と善良』感想:現代社会の結婚を難しくするものは何か
辻村深月さんの小説『傲慢と善良』を読みました。
物語の入りとしては、それまでストーカーに追われていた婚約者が結婚直前で急に姿を消してしまうという、ミステリー小説のようなテイストですが、真実がどこへ行ったのかは実のところ物語の主題ではありません。
真実を探すため、架は彼女の故郷に向かい、彼女の両親、彼女が架と出会う前に通っていた結構相談所、そこで出会った結婚相手候補たちから、当時の真実についての話を聞くことで、彼女が本当はどういう人間であったかを知り、そして自分自身の