宝塚歌劇団 宙組公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』|東京宝塚劇場
行ってまいりました。
現在、東京宝塚劇場で行われている宝塚歌劇団 宙組公演『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』
宝塚歌劇団の公演を生で観るのは、前回の『応天の門―若き日の菅原道真の事―』以来、2度目。
やっぱり今日も、東京宝塚劇場はゴー★ジャス。
きっかけは、原作が好きだった『天は赤い河のほとり』をライブビューイングで観て。
更にその後、20世紀FOXの長編アニメーション映画をミュージカル化した『アナスタシア』を配信で観て。
どちらも面白かったのですが。
宝塚歌劇団のトップの方はみんな似たような容姿をされてるのね、と思っていたら。
カイルもディミトリも同一人物だった、と(爆)。
2人とも同じ人が演じてるぅぅ!真風涼帆さんて人だぁぁ!
そして、『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』を最後に退団が決まってる!
『応天の門―若き日の菅原道真の事―』を観たあとで、ボソッと「真風涼帆さん、一度生で観てみたかったわ……」と言っていたら、ヅカオタの先輩が声をかけてくださり、今回の観劇の運びに成りました。
言ってみるものね……ありがたいわ。
有名映画のミュージカル
舞台は、1968年冷戦時代のパリ。
イギリスの秘密情報部「MI6」に所属するコードネーム「007」秘密情報部員ジェームズ・ボンドは、ソ連のスパイであるル・シッフルを倒す任務の為にフランス大西洋岸ロワイヤル・レゾーにあるホテル内の「カジノ・ロワイヤル」を訪れていた。
同じ時に、このホテルではロマノフ家の遺族たちが集まり、次代の家長後継者争いが勃発。
ボンドは、末裔の1人、ソルボンヌ大学の院生であるデルフィーヌと出会う。
デルフィーヌが相続する莫大な遺産を狙うル・シッフル。
ル・シッフルを追うボンド。
映画でも有名な、この作品を宝塚歌劇団が舞台で演じる。
原作は イアン・フレミング
本作は、1953年に発表したスパイ小説の金字塔。世界で最も有名なスパイと言えるジェームズ・ボンドの初登場作品でもある。
脚本・演出は 小池修一郎
ジェームス・ボンド役 真風 涼帆
デルフィーヌ役 潤 花
ル・シッフル役 芹香 斗亜
ミシェル・バロー役 桜木 みなと
こだわり抜かれた“理想のヒーロー”
兎にも角にも。
真風涼帆さんがカッコいいんですよ。
カイルもディミトリもカッコよかったけど。
ボンドも漏れなくカッコいい。
シャーロック・ホームズもやってたんだ。ホームズ役も観てみたかったな。
もちろん、演技や容姿も素敵なのですが。
おそらく“カッコいい”と思わせるのは、その立ち振る舞い。
身のこなし、表情の研究を物凄くされているんでしょう。
それは、ル・シッフル役の芹香 斗亜にも感じました。
いや、芹香さんの方がより強く感じたかも。
というのも、パンフレットを読むと練習風景の写真も少しあって。舞台メイクじゃないお顔を見ることが出来るのですが。
真風さんはメイクがなくても、中性的な容姿でイケメン。
っていうか、身長175cmって。
本当に紛うかたなきイケメンじゃん。
もう立ってるだけでカッコいい。
対して、芹香さんは女性的な顔立ち。
女性的な美人さんなんですよ。
これがさ。
舞台に立つと男役がハマるんだよね。
なんて言うんだろう。
元々の女性的な顔立ちが消えて、男性の顔になる。
真風さんは天性のもの(もちろん、言うまでもなくその上に沢山の努力があるのですが)を拝む、という感じですが。
芹香さんは、研究し尽くされ、こだわり抜いて、厳選されたもので作られたものを拝む、という感じ。
視線1つを動かすのも、顔の動き、目線の動き、そこに添える手の指先の動きまで決めてる、歌舞伎の見得を切るように印象に残る。
優劣じゃない。違っていて、どちらもあるから舞台全体が観ていて楽しい。
勿論、娘役のジェンヌさんも素敵でした。
潤花さんは、開演前に話をしながらパラパラっとパンフレットを眺めていた時に「可愛いなオイ!」と話すのを忘れる可愛さ(笑)。
アナベル役の天彩峰里さんも演技が素敵でした。
いやあ。2回目で観劇に慣れたのもあるかもしれませんが、とても楽しめました。
そして、持って生まれたものはあるにせよ、人の”可愛さ”とか、“カッコ良さ”とかって、実は結構後天的に習得することが可能なのかも、とも思いました。
並大抵な努力じゃないだろうけど。