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私は君を、妻と呼びたい|TL小説『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』

※この作品はTL小説です。

転生をしたり、時間を逆行して、人生をやり直す、という話は割と多い。

結果として、悲劇的に終わった前世とは、違う道へ進みハッピーエンド……という流れではあるのだが。

この『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』の主人公クリスティナも、前世は王女として生まれ、物のようにやりとりされ、祖国を奪われ、自由を奪われ、自分から全てを奪った国王アウレリオの子を産むことで、その命も落とした。

今生は、同じ轍を踏まぬよう、身体を鍛え、王女の護衛として職を得て、結婚はしない、と家族からも暗に了承を得ていた。

それなのに

父は苦り切った顔で渋々口を開く。
「……つまりは、お前の結婚が決まった」
クリスティナの思考が止まる。一瞬言葉の意味が認識できなかった。

『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』

相手はフェルセン公爵家の現当主アルベルト。

クリスティナの伯爵家からは到底断れる相手ではない。

一目惚れ、と言われてもクリスティナはアルベルトと言葉を交わしたこともない。
相手も自分の人となりを見てくれれば諦めてくれるはず……

と、思っていたけど、対面したアルベルトはどうもそんな雰囲気ではなく。

父の“娘が自分の意思でアルベルト様の求婚を受け入れるのであれば”という条件のおかげで何とか即結婚、という事態は免れたものの。

「あの、結婚のお話ですが……」
困った顔で口を開いた彼女を見て、この場で断ろうとしているのがわかったのだろう。一転してアルベルトの顔に悲壮が浮かぶ。
「頼む、待ってくれ! 機会をくれ。時間をくれ。もっと私を知ってから答えを出してはくれないか……!」
アルベルトは縋るように手袋に覆われたクリスティナの手を握りしめ、自らの額にいただく。
「どうか、お願いだ。私は、君以外は愛せない」
────重い。重すぎる。彼は一体なぜそんなにもクリスティナを欲するのか。

『2度目の人生は鳥籠から脱出するはずが前世の夫に捕まえられました』

全く事情が掴めないクリスティナ。

しかし、アルベルトにも秘密があって――


こちらもクレインの作品。

作者はクレイン。

TL小説を多く執筆されてる作家さんです。
以前の『婚約者を略奪されたら、返黒策士に熱烈に求愛されています』も、この作家さんの作品です。

コミカライズをされている作品も何作かあります。

この作品もコミカライズが始まり、現在2話まで配信しています。

出版社はメディアソフト。
メディアソフトは、クロスワードパズルなどの雑誌を発行している英和出版社の子会社。

掲載誌・レーベルはガブリエラ文庫。

電子版発売日は2018年10月26日。


それぞれの“やりなおし人生”

この作品の面白かったのは、“前世の失敗を二度としない”としていたのは、主人公であるクリスティナだけではなかったこと。

そして、アルベルトとの婚約の攻防戦の一方で、彼女は前世で心残りだった、成長を見守ることが出来なかった娘の人生を“歴史”という形で知ろうとします。

その中で、前世の自分が知らなかった、様々な事実。
そして、自分が死んだあとのこと。

そのことがストーリーを大きく変えていきます。

ラストはやや強引さも見えますが、主人公の視点で色々と詳らかになっていく過去の事実と、現在のアルベルトの関係を楽しく読めました。


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かおり
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