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今宵の、酔いのままで。

たまにはつらつらと日記風に。


今日くらいは好きなものを好きなだけ買おう、好きなだけ食べよう、と財布を全く気にせずにふらふらと都内を歩いていた。



途中、元同僚と食事をし、4時間ほど語り尽くした。



話題はもっぱら映画、オタ活、その他人生について。
話の内容は、どれもてんで合わないようでいて、実は全てにも繋がっては続いた。
発見したことを思うがまま語っては、聞き続けた。

会話を故意に弾ませようとはしていないのに、思い出した事を話すだけで、相手がそれに対して知っていることを教えてくれる。

……久しぶりに、ちゃんと人と会話をした気分だった。嬉しかった。


ネガティブにしか考えられない事は、病気のせいだからあまり気にしないようにして、ゆっくり休んで。それから、と。


近しい身内よりも、友人だとか親友の方がそんな言葉をかけてくれる。



元同僚も仕事から離れたのだが、その後の月ごとの感想を聞いてみると、
「忘れていたものを思い出す月」
「楽しかった事、興味を持っていた事に気づく月」
「だんだん自分の世界が色を持っていく月」
に変わっていったそうだ。



……
…………


電車にゆられているのは、基本的には車より楽だ。
信号も見なくていいし、舵も切らなくていい。
自分が途中下車するまで走り続けてゆく。

しかし、揺られている"だけ"ではない。正直同じ景色同じスピードでも、確実に体力を消耗していく。
決まりきった生活が、何か色褪せて見えてしまう人もいると思う。私はその世界が苦手だ。

だって、
自分がそこにいなくてもその電車は動いてゆくのだから。



私は、電車に揺られたままの楽よりも、揺られる疲れの方が先に来てしまったのだ。


……元同僚もその同じ景色をみて、途中下車しようと感じたのかもしれない。



私がわざわざ年末の締めに小旅行をしたのも、普段の生活というレールが見えてしまったからかもしれない。


…………
…………

晩になり、宿に入る時に財布を見ると、宿代6000円の他には千円札と少しの小銭しか残っていなかった。
我ながら絶妙なタイミングで今日を終えることが出来た。明日のご飯代くらいあれば大丈夫そうだ。



いつもは薬のせいで控えているお酒を飲んで、ほろよい気分なのもあると思う。
……………………けど、やっぱり、前向きになれた。




まだこの世界で私だけが一人苦しんでいるわけじゃないと。


学校で習ったことよりも、自分が感じたり思ったりした事の方が、価値があると思える事。





都会の空は眠らない。火が燻るように、鈍い光が、天球の下側を照らしている。大半の光で星空はみえなくても、遠い星は必ず輝いている。


都会の空のせいで、見えない星がある様に、
私の心にもまだ見えない自分がいるのだろうか。


見えない自分の言葉を聞くまでは、この病は本当の意味で、理解できない。そう感じる。





少し買い込みすぎたお土産をカバンにつめて、明日もまた思いのままに歩む。色付いた毎日を取り戻すように。

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