挫折しそうな本、薄目で読むか?白目で読むか?(諦めずに読む方法)
気になって手にとってはみたものの、なかなかページが進まなくて挫折してしまった本、あるいは今まさに挫折しそうな本、ありませんか?ありますよね?
そんなあなたに朗報です。
この私が!
挫折せずに済む方法を教えてあげましょう!
……あ、待って!ブラウザバックしないで!ページ閉じないで!偉そうにしてすみませんでしたー!(即土下座ー!)
いや、自慢じゃないんですけどね、数えてみたら課題本読書会の参加が100回超えてたんです。主催する読書会で90回以上、他の読書会さんにも参加してきたので、合わせると100回以上になってたんですよ(途中で数えるのやめました)
自分好みの本が課題本のときもありましたが、そうでないときもありましたし、全く手つかずだったジャンルに挑んだこともあります。他の読書会さんに参加していた時期は毎月参加していたので、毎月1冊、あるいは上下巻2冊の課題本を読んじゃってたんです。読書ハイになってたんですよね。今も2週間に1回は課題本読書会をやっているので、むしろペースとしてはあがっています。いや、自慢じゃないんですけどね、私なんでも読めるんですよフフフフフ。
さて、そんな私がどうやって本を読んでいるのか。一度私自身、整理してみました。ざっと10パターンほど思いつきましたので、これからお伝えしましょう。ちなみに小説を読む際の読み方ですので、他のジャンルだと当てはまらない場合もあります。
挫折せずに読む方法10パターン
では、挫折せずに読み切る方法をお伝えします。ざっと10パターンあります。このどれかで読むというよりは、本によって、本の場面場面によって、あるいはパターンを組み合わせて読むことが多いです。慣れてきたら瞬時にスイッチできるようになっていきますので、最初は意識しつつになると思いますが慣れるまで実践してみてください。パターンはこちらです。
①セリフだけ読む
②ツッコミながら読む
③声に出して読む
④展開を予想しながら読む
⑤逆から読む
⑥漫画やドラマや映画を観てから読む
⑦あとがきや解説から読む
⑧薄目で読む
⑨白目で読む
⑩課題本読書会に申し込む(締切効果を狙う)
では、パターン別に詳しく見ていきましょう。
①セリフだけ読む
300ページ超えの本を前にして「うっひょー!」となるか「うへあ……」となるかは人それぞれですし、本にもよるかと思います。手にとってみたものの冒頭3行読んでそっと閉じることもあるでしょう。
そんな時におすすめなのが、「」の中にある文章だけを読むという方法です。
登場人物たちのセリフだけに目をやって読むパターンですね。あとは読まずに飛ばします。
いきなり邪道な読み方をお伝えしてる気がしないでもないですが、ここから先も邪道な読み方は出てくるので、この方法は「邪道(易しい)」くらいに思ってもらえたら幸いです。
この方法で読んでも、内容は案外頭に入ってきます。頭の中で自然とセリフの前後を想像しちゃうんです。で、大体雰囲気的に合っていればそのまま進めば良いし、「ん?」と思ったら一旦立ち止まってセリフ以外のところも読んでみたら良いのです。だいぶ読む速度は早くなりますので、ページ数だけで「うへあ……」となっている方は一旦やってみることをおすすめします。ふと気づいた時にページ数が80~100ページくらい進んでいたら、読むモチベーションもだいぶ保てるのではないでしょうか。
登場人物AとBの会話だけを抜き出して読んでみると、そのシーンが重要なのかそうでないのかが何となく分かります。「暑いなー」「そうだな」みたいな会話のやりとりは、日常生活や風景を描いているだけだったりするので、周辺にある情景描写なんかは飛ばしちゃっても問題ないです。なぜなら、私たちは既に様々なメディアから写真あるいは動画でその景色や背景を知ってしまっているからです。自分の知識や経験上にあるイメージで背景を描いてしまっているわけですね。で、自分の知識や経験上にイメージがなかった場合、「合わない」となり、それが続くと挫折するわけです。重要そうなところだけを重点的に読めば良いのです。挫折するくらいなら、全ての文章に全力で集中する必要はないっちゅーことですな!
ちなみに私はよくこの方法を使ってますが、だだだっと進んでいったらいつの間にか主人公の仲間が死んでました。え、いつ死んだの?!と気になり、ページを遡ることに……なんてこともありましたが、たいていの場合には有効な手段ではないかなと思います。
②ツッコミながら読む
本の文章全てに対してツッコミを入れてやろうという姿勢で読むパターンです。これは①のセリフだけを読むパターンとは逆に、一文字一文字追っていくパターンとなります。
「ふんふん、ここに岩があって、ここに主人公たちは立ってたわけね……ってわからんわ!」「いや、ここでこのセリフを言うって、あなたどんだけ自信満々なのよ」といった感じで、いちいちつっこんでいきます。副音声的にといいますか、無理やり物語の中に介入していくことによって、わりと記憶にも残ります。一文字一文字ツッコミどころを探していくことになるので時間はかかりますが、全体の雰囲気を見て「読めなさそう……」と思ってしまった場合に有効です。一つ一つ処理していきましょう、っていう感じですね!
③声に出して読む
家族と暮らしている方は少し恥ずかしいかもしれませんが、声に出して読むのも有効です。それも、ただたんに読むのではなく感情をのせれればのせれるほど効果絶大です。いやいややっぱり恥ずかし―!という場合は無理にする必要はありません。その場合は、頭の中で声を出している風に読むだけでも良いです。ちょっと何言ってるか分からない……と思いました?私も思いました。いや、つまり言いたいことはですね、感情をのせてみるってところですね。登場人物が三人いれば三人分+地の文を読み上げるナレーター役といった感じで、一人何役もこなして読んでみると、また違った世界が開けてくるでしょう。
④展開を予想しながら読む
30ページくらい読んでからにはなりますが、この先どうなるかを予想しながら読むパターンです。これはミステリものだと自然とやっちゃうかもしれませんが、他のジャンルでも有効です。とにかく先を予想してみる。「あ、こういう展開になるんだ」と思わぬ方向に進むのも面白いですし、予想通りになっても面白かったりします。全く景色もなにもない平坦な道を運転しているときってだんだん眠くなったりしますよね。でも、周りに面白そうな景色があればちょっと眠気も吹き飛びます。その景色を予想という方法で自ら作るのです。予想しながら読むなんて出来ないよ、という方は手始めにミステリ小説を読んでみるとそういった読み方が身に着くかもしれません。
⑤逆から読む
逆ページから読んでいくパターンです。300ページある本なら300ページ目から、299、298……と逆に読んでいきます。とはいっても紙書籍の場合は見開き2ページなので、299〜300、297〜298、295〜296ページといった感じで読んでいきます。最初に結末を知ってから、そこに至るまでに何があったのかを紐解いていく感じですね。前半部分で挫折しそうになったら、このパターンで読んでみてください。
重要な部分や著者の伝えたいことは後半に描かれていることが多いので、先にそれらを頭に入れてから、また1ページ目に戻って順番通りに読んでも良いです。
⑥漫画やドラマや映画を観てから読む
これが一番有効かもしれないんですが、原作に触れる前に漫画やアニメ、ドラマ、映画作品のほうを読む・観るというパターンです。そうすると頭の中で登場人物たちがその役者さんで脳内補完されるようになり、「この人どんな容姿だったっけな……」「舞台はどんなんだったっけな……」と想像する部分を省略することが出来ます。ただしこの方法は逆にいうとその役者さんたちでイメージが固定されてしまうため、原作を読んだときに「原作とはこう違う」と切り離して比較できない方には諸刃の剣でもあります。先に原作を読む方が良いかなとも思いますが、今回は「挫折しそうな本を読み切る方法」なので、挫折しそうなときには先にメディアミックス作品に触れることをおすすめします!
⑦あとがきや解説から読む
本の最後の部分にある「あとがき」や「解説」から読むパターンです。著者あとがきの場合、本の内容に触れている方もおられますが、たいていはお人柄が分かるようなことを書かれていたりします。何となく親近感を覚えちゃうんですよね。全く知らない他人の作品よりも、ちょっと知ってる人の作品のほうがより読みたい気持ちが芽生えると思いませんか?本来なら、作品を読み終わったあとに著者と作品のギャップを楽しんだりも出来ますが、挫折しそうなら先にあとがきを読んでしまうのも手です。
解説は作品のことを詳しく、それこそ詳しく何ページのあれは~と書かれていることも多いので、本来であれば作品を読んでからのほうが楽しめる内容となっています。が、こちらも挫折しそうになって読まずに終わってしまうくらいなら、先に読んでしまうことをおすすめします。
⑧薄目で読む
皆さんは本を読むとき、最初の一文字から一文字一文字追っていきますか?私は追いません。なぜなら疲れるからです。本を開いたときに何をしているかというと、まず開いたページの全体像を捉えます。文字数がだいたいどれくらいあって、空白部分がどれくらいあって、セリフがどれくらいあるのか。数えはしませんが、ざっと見てだいたいこのページをどれくらいの時間で読めるかを計算しています。で、ざざざーっと読んでいくわけですが、一文字一文字というよりは三、四文字くらいをひとまとまりとして進めていきます。なぜそんなことをするかというと、一文字ずつ読んでいくと目が滑って頭に入ってこないからです。
そういうときの対処法として、「滑るところは読まない」のも一つの手段です。ただどーしても目がギンギンな状態だと無意識にでも文字を追ってしまいますよね。そんな時におすすめなのが「薄目で読む」というパターンです。眼鏡をかけて本を読む方は、眼鏡をはずしてください。コンタクトも外してください。それでいて眼鏡やコンタクトをかけた状態のときと同じ距離で本を持ち読んでみてください。眼鏡やコンタクトをつけていない方は、薄目になってみてください。文字がぼやけますよね。それで良いのです。あなたは今全体像を捉えようとしている。そう、その調子、そう、それです!それで良いのです。そして気になるワードを見つけたとき!グッと距離を近づけてください。だんだんピントが合ってきましたね。そこだけ読んでいけば良いのです。 そしてまた距離を取ってください。そう、その調子、そう、それです!あなたはだんだん眠くなーる、眠くなーる……。
それで本を読んだことになるのかといわれれば、読んだことになるともいえますし、読んでないことになるともいえます(どっちだ)
しかし、そもそも何を指して「読んだ」となるのか。ここを一度見つめ直してみるのも良いかもしれません。私の隠れバイブルの秘伝の書『読んでいない本について堂々と語る方法』を読むことをおすすめします。
本を読むということは、本を読まないということと表裏一体であり、「読んでいない」は分類することが出来るということが著書には書かれています。分類は四つです。
・ぜんぜん読んだことのない本
・ざっと読んだ(流し読み)ことがある本
・人から聞いたことがある本
・読んだことはあるが忘れてしまった本
ということは。逆に読んだという事もどこまでいけば「読んだ」になるのか。文章一文字一文字全てを覚えていれば「読んだ」ということになるのか・・・・・・といえば、うん、まあ感覚的には違うなーって感じがしますよね。そうなるとほとんど全ての本が「読んでいない」という事になってしまいそうです。では、どの程度読んでいれば、読んだことになるのでしょう?
とまああまり深く考えずに、とりあえず1ページ目から最後のページまで進んだら「読んだ」ということにしておきましょう。そのためには、つまづきそうなところでつまづいていたら「もう読むのやめとこ」って挫折しちゃいますよね。あえて薄目で読むことで、先に進んでみてはいかがでしょうか。
⑨白目で読む
これは「薄目で読む」でも先に進めなかった場合の最終手段です。白目になってください。そしてそのままページをぱらぱらとめくっていってください。はい、白目から戻ってください。アラ不思議!いつの間にか読み進んでますね!!って読んでへんやんけ!!というツッコミを受けそうですが、はい、ツッコミ待ちです。いや、でもこれはふざけているわけではなくてですね、「薄目で読む」が早送りとするならば、これはいわば「10秒スキップ」みたいな手段です。エピソードの一つ二つをもうすっ飛ばしちまうわけですね。それで先へ進むとどうなるかというと、重要なエピソードだったら登場人物の誰かがセリフで振り返ってくれたり、地の文で回想があったりします。そうなった時には、あ、あそこは重要なエピソードだったんだと気づけるので、その時だけまた戻って読めば良いわけです。先にネタバレしてしまうような感じにはなってしまいますが、ネタバレって他人から不意打ちでやられると腹が立つかもしれませんが、案外自分だけで読んでる分には気にならなかったりします。とはいえ順番に読んでいくのがやはり一番正当な読み方だとは思いますので、読めれば順番通りに読んでいけば良いかと思います。今回は「挫折しそうな本を読み切る方法」ですので、こんな方法もあることをお伝えしておきます。本の読み方は様々、自分なりの読み方で、好きなように読めばよろしいかと。
⑩課題本読書会に申し込む(締切効果を狙う)
最後のパターンとしては「課題本読書会に申し込む」です。
課題本読書会とは、指定の本を事前に読んでおき、当日その課題本について語り合う会です。課題本を読んでいる最中に感じたこと、読後に感じたこと等を自由に発言しあいます。
読書って普通は一人でするものだと思っていることでしょう。え、集まって何話すの?という疑問もあることでしょう。楽しみ方についてはまた別の記事で書いてますので、こちらもあわせて良かったら読んでみてください。
▶実際どんな風に課題本について語っているの? 何が面白いの? 課題本読書会の楽しみ方・準備の仕方
課題本読書会の何が良いかって、読み終えるまでの締め切りがあるところなんですよね。読書は一人でするもので、いついつまでに読むなんてルールも普通はないですよね。自分ルールで期限を決めることは出来ますが、それを破ったからといって何がどうなるわけでもないので、たいていは「まあいっか」と結局なし崩し的に読まないという事態になることもあるかと思います。
課題本読書会に参加申込をするとなると、その当日までに読み終えておく必要が出てきます。夏休みの宿題の如く、「この日までに読まないと!」という締め切りが生まれるわけですね。え、自由に読みたいわ、締め切りとか嫌だわと思うかもしれませんが、「読み終えて読書会に参加すれば、同じく読み終えた人と同じ本で語り合うことが出来る」という前向きな楽しみが、読んだあとに待っているわけです。この楽しみにハマって抜け出せなくなってしまった人がいます。私です。
何が課題本になるかはそれぞれの読書会で決めているので、自分好みの作品が課題本になることは少ないかもしれませんが、むしろその方が新たなジャンルの開拓が出来たり発見が出来たりするので、「課題本になったから読もう」くらいのスタンスで参加しちゃうのがおすすめです。自分で主催するのもアリですね!
再読のススメ
ここまで10パターンの「挫折しそうな本を読み切る方法」をお伝えしました。
とにかく一回読み切ることが大事!と、私は主張します。もしもっと深く読み込みたいのならば、もう一回読めば良いのです。再読には初読みよりも時間がかからないですし理解も深まります。
①〜⑩の読み方でもなんでも良いので、とにかく一回読む!最後まで読んでみる!そうすれば、1ヶ月後あるいは半年後あるいは1年後、もう一回読んでみようと思ったときに驚くくらいさらさらと読めるかと思います。
私は『異邦人』を初めて読んだときに3、4ヶ月かかりましたが、再読のときには⑤と⑨のパターンを駆使したら3時間で読めちゃいました。『蠅の王』のときにも初めてのときは序盤でだいぶ苦戦しましたが、再読のときにはスムーズに進みました。ある程度知っていると、さくさくと進めれるんですよね。なので、ぜひ、手段は何でも良いので諦めずに読み切ってみてください。
以上です!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
良き読書ライフを!!
ここまでお読みいただきありがとうございます。宜しければご支援よろしくお願いいたします!