大切なことは、「想像力」と「思いやり」
今年度、6月3日(土)に、
北九州市小倉南区の横代校区において
「よこしろ防災チャレンジ」が開催されます。
これは、小学校・中学校の全9学年が一斉に体験する大規模な防災イベントであり、防災訓練です。
両学校のみならず、PTAや地域の皆さんのご尽力により実施できるものです。
この取組みは、とても素晴らしく、国での賞も受賞されています。
毎年、6月最初の土曜日頃で実施しておりましたが、コロナにより停止。
しかし!
昨年度は、秋に、復活することができました。
今年度から、例年通りの6月に計画を戻すとのことです。
ぼく自身も、公私ともに、長くこの活動に携わってきました。
昨年度の様子はこちら!!
ぜひ、上の記事もご覧いただき、
昨年度の実例と、この企画の詳細について感じていただけたらと思います。
昨年度、ぼくと九国大の学生さんたちとで担当したのが
中学校1年生と小学校5年生の2学年混合のものです。
『リアルHUG』というものを製作し、実施していただきました。
この、リアルHUGは、
既存のHUG=避難所運営ゲームというものがありますが、
それをもっと実戦的にしたものです。
特徴として、
・先が分からない災害時の対応そのもの
・実際の施設をイメージしながらできる
・サイズ感を実物と合わせている
ということが挙げられます。
昨年度は、ぼくが全体の進行をして、九国大の学生の皆さんがバックアップしていいただいたのですが、今年度は全面的に九国大の学生さんたちにバトンタッチ!
その実施・指導方法などを確認しました!
避難所となるのは、横代小学校。
小学5年生たちは、自分達の学校。
中学1年生たちは、卒業した学校。
イメージわきますね。
小学校を避難所として開設した想定で、避難者を受入れていきます。
体育館を中心としていきつつ、校舎のレイアウトが書かれた図面もあります。
体育館のサイズと、避難者ひとり分のサイズなどが、合うように作っております。
避難者ひとり分のサイズであり、そこに、どんな避難者か?というお題が書かれたカードを順にめくっていきます。
そして、避難者の居場所へと、カードを配置していくものです。
災害対応同様、このゲームの難しいところは、
どんな人が何人来るか分からないというものです。
結果論でなく、時系列的に災害を見つめていかねばなりません。
避難してくる順番によっても対応が全く異なっていきます。
100人来ると思っていても、蓋を開けたら5人だったとか、
はたまた、20人来ると思っていたら、300人だったとか、
実際にはあるかもしれませんよね。
例えば、高齢者や身体の不自由な方に、場所をとっておいたのに、結局来なかったとか。逆に、早々に使用してしまって、次に来た人はどうしよう、とか。
このゲームを通じて、そんな疑似体験をしていくものです。
また、子ども達にとっては、実際の施設をイメージしながら対応できますので、色んな手段やアイデアも出てきますし、
災害時のイメージを、ゲームを通じて考えていただくことにもなろうかと思います。
そして、縮尺を合わせていますから、
これぐらいの人数だったら受入れることができるのか~、というような全体のボリューム感を実感できますし、
通路や出入口のところなど、実践的な検討もできます。
事前レクチャーとして、九国大の学生さんたちに実施していただきました。
初めて実施してみて、
その後、『対応方針』を話し合っていただきます。
避難者をどう受け入れていくのか?
どんな順序で、どの場所でどういう要素で受入れていくのか?
方針が定まっていると対応しやすいです。
プラスして、本部や物資置き場の位置、そして通路の確保を課題として加えます。
そして、2回目のトライ!
1回目より、スムーズにどんどん受入れていきました!
とっても良いですね!!
方針があると、対応する「根拠」ができます。
結果論的なクレームが多くなりがちですが、こうしたものを持っておくと、とても良いですよね。
身体の不自由な人はどこで受入れよう?
トイレの近くを希望する人はどうしよう?
小さな子どもがいる家族はどうしよう?
男女別の場所を要望する人はどうしよう?
ペットを連れてきた人はどうしよう?
不安になったり大声を出してしまう人はどうしよう?
明るくて寝れないっていう人はどうしよう?
暑い・寒いへの対応はどうしよう?
などなど、
いろーんな課題やテーマがあります。
次々とカードにも示されます。
大切なことは、
『想像する』ことなんだろうと思います。
被災の経験の有無もあろうかと思いますが、
こんなとき、こんなことが大変なんだろうって、想像していくことが大切だと思います。
そして、それは
『思いやり』なんだろうと思います。
お互いを思いやり、様々な配慮をしていく。
それぞれの立場や悩みや課題を共有しながら、ベストでなくても、なるべくベターな答えを考えていく。
このゲームは、
災害対応のノウハウや、防災のスキルを得るものというより、
そんな、本質的な
『想像力』や『思いやり』を学んでいくものと思っています。
自分や家族が、避難者になったときにも、こうした経験があると違うのかなぁと思いますし、
もし、自分のまちで避難所を運営しなければっていうときには、この経験を活かして、積極的に手を貸す人に育ってほしいなと思います。
九州国際大学地域防災リーダー育成プロジェクトの皆さんが、
この活動を実施していただきます。
皆さんのご活躍が楽しみです!!!
今日もご覧いただきありがとうございます。
<1年前の”今日”の記事★>
そうそう、この話も考えていかないといけませんよねぇ。