【1.17】災害対応と「NPO」と「お祭り」
27年が経ちました。
今日、1月17日は、阪神大震災が起こった日です。
『防災とボランティアの日』とされています。
大災害が起こると時代が変わっていきます。
阪神大震災を機に変わっていったもの、創られていったものはたくさんあります。
①そのひとつであるNPO制度について
②防災・災害対応とお祭りの関係について
この2本について書いてみたいと思います。
冒頭のお祭りの作品は、ソエジマケイタさんの創られたものを使用させていただいています。ありがとうございます!
①阪神大震災とNPO法
NPO法人に関する法制度について定められているのが、特定非営利活動促進法、通称「NPO法」です。
阪神大震災以前からNPO法は検討されていたそうですが、災害発生後に必要性が再認識され、3年後となる法制まで一気に進んだそうです。
都市部の激甚な災害ということもあり、全国から多数のボランティアの方々が集まったそうです。
それらの方々は、法人格をもたず、個人や任意団体として活動し、義援金などの受け皿もなく、運用・運営がとても難しかったそうです。
法人格を有する非営利活動の団体を認めていくことがNPO法の柱です。
阪神大震災の1995年を、『NPO元年』とも呼ばれています。
また、行政とNPOの違いとして、よく用いられる例として、
「100人」の避難者がいるところに、「50個のお弁当」が届きました。
行政では、平等公平を保たねばなりませんから、あと50個の弁当が届くまでは配れないと判断せざるを得ない。
一方、NPOは、目の前の、支援が必要な人へ必要な支援をどんどんしていくことを前提としていますから、まず50個を配る。何なら別の手段で他の食料の入手を検討する、という感じです。
NPOは民間でありながらも、公共性があります。
しかしながら、行政ではありません。
こうした、中間的な『共』の位置づけによる活動者の必要性が認識され、現在に至ります。
NPOは『想い』を資源として活動をしています。
災害は、行政どうの関係なく発生してしまいます。
自分の身を守ること、自分の責任で対応しなければならないこと。
公的なものと、私的(民的)なもの、その2軸だけでは対応しきれない場合が多いです。
間の領域に存在できる『NPO』というのは、とても当てはまります。
防災や災害対策において、NPOという位置づけは、その理念として親和性がとても高いと言えます。
もちろん、防災や災害対策に限らず、
多数の、多ジャンルのNPOの方々がいらっしゃいます。
②災害対策とお祭りの関係
各地で伝わるお祭りの起源を知るとき、
自然との共存・共生や、疫病退治、コミュニティの結成というような意図があるものがとても多いです。
多くのお祭りには、防災や災害対策のための、いわば「練習」「準備」をしているとも言えます。
特に、お祭りという機会に、人と人とが繋がり合い、災害を乗り越えていくという、素晴らしい機能があると思います。
今日の話題展開として、もうひとつ念押ししたいのは、
『お祭りが上手な組織・まちは、災害対応に強い』ということです。
「お祭りが上手な組織・まち」はどんなイメージでしょうか?
(上手という一言でまとめてはいけないとは思いましたが。。)
賑わいのあるお祭り。
準備がテキパキと進むお祭り。
多くの協力者・賛同者がいるお祭り。
そうしたイメージと言って良いでしょう。
そうしたお祭りが上手な組織やまちでは、災害対応も同様に見事に進むそうです。
お祭りと災害とで、その双方で考えてみると・・・
●協力者が多くいること、頼りになる人材がいること。
とても大事なことですね。組織は人なり。
お祭りも災害対応も肝心なところは『人』がいるかどうかですね。
特に、災害が起こって、「初めまして」から始まっていたようでは何にもできないですよね。人の繋がりが祭りの準備・実行にも、災害対応にも繋がります。
●旗振り役、そして参謀がしっかりしていること。
お祭りや災害対応には、必ずリーダーが必要となります。ひとつの目標に向かって一致団結するからです。
しっかりしたリーダーが必要なのですが、でもでも、ワンマンなリーダーだとお祭りの細部にわたっての配慮や、災害対応の全ては担えません。リーダーがいて、周りに参謀や強力なスタッフがいることも大切な要素でしょう。
●多様な人材が輝く、ダイバーシティ
それぞれの人の適正や能力は様々ですよね。
お祭りのときには、細部にわたって活躍している人が様々現れます。
いくら優秀でも金太郎飴みたいに同じジャンルの人ばかり集まっては広がりがありません。
絵を描くのが得意な人、工作が得意な人、力持ちの人、広報が上手な人、喋りが上手い人、会計が得意な人、子どもの世話が得意な人、お年寄りへの配慮が行き届く人、、、
色んな人が、それぞれの能力を輝かせ、対応するときに、お祭りも災害対応も上手くいくものと思います。
●主催者もお客さんも団結、主客未分
踊る阿呆に見る阿呆ですね。
お祭りというのは、主催者と参加したお客さんを商売のように分けるものではありませんよね。
お客さんもそれを「構成する一員である」ということですね。
こうした垣根が低ければ低いほど、協力者も増えていきます。
災害対応もまさにそうで、対応者と被害者が分かれるものではありません。
この話を教えてくれた先生は、
「組織や地域の防災力を上げたいのであれば、お祭りをすれば良い。立派な防災訓練です。」
とおっしゃっていました。
各地で地域コミュニティのありようや、その必然性から、多くのお祭りが廃止になってきています。
また、コロナ禍で中断したものが、再起するのかも心配です。
現代において、伝統のお祭りを「しなければならない」と感じることは随分と減ってきているように思いますが、
こうした要素もあるのかなと思いました。
1.17は、突然の大災害、阪神大震災の日です。
『防災とボランティアの日』です。
共の領域で、想いを資源に活動するNPOと、
お祭りの意義について書いてみました。
表現の仕方は違えど、双方とも同じことを言っていると思います。
今日もご覧いただき、ありがとうございました。
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