具体と抽象について
毎朝のnote作成にあたり、唯一の私を悩ませている種と言っても良いのは、このことである。
『具体』と『抽象』である。
これらの言葉には、語尾に『的』を付けると、日常的な言葉として、理解しやすくなるだろう。
記事を書いていくにあたり、具体的に書くことと、抽象的に概念・理念を書くことの双方が必要とされると思っている。
具体的に書くとは、事例や例示を交えて書くことが一般的である。はたまた書いているネタ自体が限定的なものである場合は、具体化しやすいとも言える。
一方で、具体が強すぎると、部分的なものになってしまい、拡がりがないことを危惧する。特定の読者のみにしか届かない、響かない記事になりかねない。はたまた、個人的な日記やつぶやきのようになってしまう。
これらを打破するためには、理念・概念を加えた抽象的な記載とすることが必要だと思っている。
ある意味で学問っぽく見えてくるとでも言うべきか。
具体論が限定的にあることの反面、抽象的な記載にすることで、読者なりの拡がりやアレンジを付け加えることができると考える。
一方で、抽象が多いものは、それはそれで困る。
単純に言えば、訳が分からない、ということである。
異分野の方々からすれば、踏み込みさえできないような記事であれば、何だこれってなってしまう。
具体と抽象のそれぞれの観点からメリット(意義)とデメリット(注意点)を記載してきたが、ご覧のとおり、双方が必要であり、双方のバランスが重要となる。
毎朝のnoteの記載にあって苦しめられてきた点は、この双方を充実させることである。
では、具体と抽象のどちらを書くのが大変なのか?
ネタの内容にもよるが、私の感覚として大変なのは、実は『具体』の方である。
理念・概念・理論・理屈・ノウハウ的なものは、抽象的に書くととても書きやすい。
読者側が限定的で、同じ分野の方々、同じ経験をしてこられた方々であれば、すんなり書きやすい。
なかなかこうはいかないが故に、具体論をどれだけ一般的に分かりやすく揃えられるかが重要となる。
例えば、野球の打撃理論を説明するとすれば、みなが打撃に対して興味をもち研究しているのであれば、抽象的な理論だけを展開しても十分に通じることができる。
しかしながら、素人ばかりであれば、有名選手を例に出したりするなどの説明が必要となるだろう。
こうした記事を書く上で、
発想・作成の順序としては、
①気付きやインプット
②ネタの創造(抽象)
③表現の構成
④具体の付け足し
⑤書き出し
というような感じである。
①は具体から始まることが多いけれども、
②・③は抽象のもので思考が巡る。
私の理想としては③で終わらせたいぐらいであるが(笑)
やはり④の作業をしないと、読み手には伝わらない。
つまり、具体の内容が中心のようであり、実は最後に付け足されているのである。
現在、私の手帳には、書きたいテーマがズラっと並んでいる。
そのほとんどが、抽象までしか揃っていなくて、前述の①・②の工程で止まっているようなものである。
詳しくお伝えできる例示などを含めた『具体』の弾が揃っていないような感じである。
また、身振り手振りや、声のトーンを用いての説明と違い、文面だけで伝えるということは容易ではない。
過不足なく伝えたいことを表現するには、抽象から具体へ、具体から抽象へと橋渡しする部分において、文面だけで伝えるのは特に難しい。
この具体と抽象というテーマは、noteの記事作成のみのものではない。
私が普段している講座などでもまさにこの発想が重要で、
いかに、具体の話と、抽象的な概念・理論の双方を示すことができるかを大切にしている。
例えば、学生の頃、いつも訳わからない話を続ける先生がいなかったでしょうか?考えてみると、抽象的なことばかりを話していなかっただろうか?
その先生からすると自分の得意な学問のことを話すから、概念・理論をずっと喋っていたのかもしれないが、聞いているこっちは訳わからんってなります。
一方で、分かりやすい先生はどうだっただろうか?
身近なものに例えてくれたりして、何だかスッと入ってきたことはないだろうか?
伝えたいのは抽象的なことが多いのであるが、具体がないと入ってこない。
ほら、この例示を出すことで、あ、そういう事かというのも進んだのではないだろうか。
私自身も、自分以外の講師による講座・研修・講演などを受けることがある。
とても素晴らしい理論・理念を語られているのに、具体に乏しく、全て受け止めきれない場合がある。
一方で、注意していただきたいのが、
具体ばかりで、何も持って帰れるものがないという場合がある。
事例紹介のような場合に多いのであるが、「ふ~ん」と思って聞くのみで、自分事として入ってこない。自分にアレンジするには!?と半煮えの状態になってしまう。
練習問題ばかりを聞いて、公式を教えてもらえないようなものである。
事例紹介のような場合には、抽象を付け足したうえで、汎用的な事柄にすると良い。
行政による施策・政策や、民間での企業理念でありがちであるが、
具体に乏しく、抽象なものだけを謳い、中身が無いように見えるものがとても多い。
総論賛成・各論反対になりがちなので、とても危うい。
しかしながら、この心理は手に取るように理解できる。
抽象だけであれば、とても大きく立派なもののように感じるのであるが、粗末な具体を付け足した途端に、やせ細ったような中身になってしまうから、それを怖がるのである。
具体と抽象を何周かしたような記事になってしまったが、やはり、具体の整理・準備が何より必要なのだと感じる。
歳の瀬に、ちょっと息をついて、これまでの悩みを少し吐き出させていただいた。
こうしたこだわりや葛藤をもって、記事を書いているという目線で読んでいただけると一層面白いのではないかと感じる。
ふ~・・
この記事の内容を思考するにあたり、いつもどおりの「ですます調」ではなくって、「常体」の文面でしか脳内を巡りませんでした(笑)
ご了承ください(笑)
最後ぐらいはいつもどおりの感じの紙面にしましょうね。
冒頭の『抽象的』とタグが付けられていたイラストは、コウさんの創られたものを使用させていただきました。ありがとうございます!
今日の「具体と抽象」というこれまた抽象的なテーマにあたり、どんなアイキャッチにしようかと思っていたところ、ぼくのイメージにピッタリのものがこれでした!
この記事で初めてぼくの記事をご覧いただいたという方は、ぜひ他の記事もご覧ください!今日の記事はレアな感じでしたので(笑)
近いテーマについていくつか貼っておきますね。
今日もご覧いただきありがとうございました。