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昨日、秋晴れのもと、子どもの小学校での運動会がありました。
一堂に会しての運動会は久しぶりで、応援する保護者どうしも密にならないように、プログラムの学年に応じて、観覧席を交替して応援するスタイルでした。
とても良い運動会になりました。

保護者席にいると、次々とお知り合いに会います。かなり多くの方と挨拶しました。
ぼくも妻も移り住んだこのまちで、最初は知り合いも全くいなかったのですが、『子ども』という共通項から知り合いの輪が広がっていきました。
とてもありがたいことです。

この小学校区のなかで、こんなにいっぱい知り合い・友達がいると思うと嬉しいことです。
一方で、大多数の住民のなかでお知り合いになっているのは、ほんのわずかなのかもしれませんね。

こうした繋がりが、多かったら良い、少なかったら悪いとは一概には言えないと思いますが、
ずっと住んでいくこのまちで、知っている人が多いというのは幸せなことだと思います。

また、ぼくたち夫婦にとっては移り住んだまちですが、
子ども達にとっては、ここが地元・ふるさとになっていくわけです。

家のドアを開ければ、誰も知り合いがいないまちなんて寂しいですよね。
もちろん、子ども達は、子ども達なりの社会のなかで友人関係があります。
でも、自分の親は全くそうではないとなると寂しいですよね。


こうした
『地域コミュニティ』というのは、ぼくは、とても大切なものだと思っています。

なかなか評価しづらく、必然性が感じられる場面が少ないかもしれませんが、
分かりやすい例として、災害や事件・事故など、いざ困ったときには、ご近所さんの力がとても頼もしいことは間違いないです。

地域コミュニティの力が高いと、
ご近所トラブルなんかの抑止力にもなりますし、
犯罪も起こりにくいと言われています。
また、空き家問題なども未然回避されている例もよく見ます。

孤独死の問題や、
日常からの支え合い、見守り合いにも繋がっていきます。


こうした、
絶対にあった方が良い『地域コミュニティ』を育むにはどうしたら良いのでしょう?
ぼくたちの活動のように、各種イベントや企画を放り込んで、何かしらを築いていくことも大切かと思いますが、
何より、『きっかけづくり』が重要だと思います。

まず、『顔を合わせる機会』

それから、『話をする機会』

これらが、どういった場面で生まれるのでしょうか?


古き良きまちでは、『お祭り』文化が継続されているところもあるでしょう。
お祭りは、最適な地域コミュニティ育成ツールだと思います。

その素地となるのが、往々にして地域の自治組織です。
つまり『町内会』です。

そのまちに住むことは、地域の自治組織への参画とイコールでした。
だって、自分たちの住むまちのことを考え取組むことが自治組織の目的ですから、当然、そこに住むなら参画するということです。
これは義務であり、責任でした。

しかしながら、近年では、『任意』の『権利』へとシフトしています。
つまり、「町内会に入っても入らなくても良い」ということです。

北九州市でも町内会の未加入問題・脱会問題は、どこにいっても大問題で、
ちょっと前までは加入率7割って言ってたのに、現在では6割を切ったとも聞きました。
急転直下しています。

町内会には、色んな役割や機能があります。
ぼくの嫌いな、メリットーデメリット論争もあります。

町内会の一番の役割は
『住民が繋がるきっかけづくり』です。

めんどくさいでも、
町内会の清掃活動で顔を合わせる。
めんどくさいでも、
回覧板を持って行って顔を合わせる。
めんどくさいでも、
地域の伝統行事で顔を合わせる。

子どもが大きくなったら、『大きくなったね』と声をかけ、
お年をめされてきたら『お変わりないですか』と声をかける。

それが町内会の役割です。

町内会は、半強制的な参加形態から、
現在では、『選択縁』の社会となっています。

これで良いのでしょうか?


この選択縁の波は、PTAにも及んでいます。

未成年の子ども達が学校に通うなかで、保護者が先生とも連携して教育活動に関わるのがPTA組織です。
保護者自身のためでもあり、
学校運営のためでもあり、
我が子たちのためです。

しかしながら、
このPTAも、『選択縁』の波が一気に押し寄せてきました。

つまり、「PTAには、入っても入らなくても良い」
どちらが良いかを家庭ごとに選ぶことになります。

令和4年度問題として、以前にも記事を書きましたが、
北九州市内は、どこに行っても、PTA未加入問題は、大問題です。


これは地域コミュニティへの時限爆弾です。

同世代の子どもが、ともに通う学校において、
同世代の保護者どうしが繋がる。

こんな絶好の共通項での繋がりを持てるチャンスです。

PTAで面倒な活動をしなくて良いからとか、
PTA会費を払わなくて済むからとか、
別に保護者どうし繋がらなくても良いという感覚なのだと思います。


子ども達からすれば、
親どうしが知り合いだったら、とても嬉しいようです。

子ども達からすれば、
そのまちがふるさとなわけで、
まちに繰り出せばいっぱい知り合いがいる、いっぱい見守ってくれる人がいる。
そんなまちで育っていってほしいと思います。


頼りになる地域コミュニティにおいて、『3つのちえん』という話をよくさせていただきます。

血縁:親族などの関係
地縁:ご近所さん付き合いなど
知縁:知り合い・共通の趣味など

核家族化や、盆・正月の集まり事も希薄になるような、血縁さえ維持するのが難しくなってきているような世の中です。

これまで地域を支えてきた『地縁』は、いまや『知縁』とイコールになってしまおうとしています。


ぼく自身としては、
子どもを通じてのPTA活動、おやじの会、学童の父母会、習い事での保護者会。
色んな皆さんと関わるチャンネルがありました。
運動会の保護者席では、多くの方と『おじき』ができました。
これは嬉しいことです。

『選択縁』に積極的に入ってきたからなのかもしれません。

この逆はどうなんでしょう。
あんなに大勢の方がいるのに、一緒に来た家族以外には知り合いがいないっていう世帯も多かったのかもしれません。


グラウンド中央で頑張っている子ども達を
みんなが見つめ、応援したように、
自分も子ども達も、過ごしていくこのまちの地域コミュニティへ、
みんなが真ん中へ温かな目線をもって生活していける社会が、少しでも実現できれば良いなと思います。


今日もご覧いただきありがとうございます。

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