『地域力』の向上へ!キーパーソンのちょっとした工夫
昨日、北九州市民カレッジの『地域力アップセミナー』を午前・午後の2コマ分を担当させていただきました。
これまでも、これからもさらに!地域活動のなかで活躍していく受講者の皆さまです。
とても活発かつ熱心に受講・議論いただきました。
初めて、終日となる2コマ分を担当させていただき、内容をしっかりと踏み込んでいけたので、とても有意義な講座になったんではないかと思います。
昨日の朝、講座の準備の途中に書いた記事です。
地域での課題、そして突破口とは!というものです。
さて、今回のぼくの担当分は、
まさに『地域』にフォーカスするものです。
午前と午後で、テーマを大きく2つに分けました。
午前は、『地域の課題』を見つめていきます。
午後は、その突破口・対策としての『協働』のまちづくりについて考えていきます。
ぼくから、地域の現状や、課題について、インスピレーショントークをしては、それについて議論していく。
という順序で、講座を進めていきました。
4人1組のグループになっていただき、ホワイトボードを4区分。
順に、ファシリテーターと板書の練習もしていくものです。
地域力向上へのキーパーソンとして、とっても大切な能力ですね!
前半の4つのテーマは、以下のものです。
①地域人材の減少・固定化
②PTA活動の停滞・崩壊
③町内会・地域コミュニティのありよう
④地域での見守り合い・支え合い
①地域人材の減少・固定化
地域の中で、重要なポジションだったり、役職であったり、どんどんと動いていただけるプレイヤー。
どの地域も『人材』の確保には苦労されています。
コロナ禍を経て、加速したところもありますね、
地域に人材がいない、、、、増えない、、、、いつも同じ顔触れ。。。
という課題は往々にしてあります。
この課題は、以降のどのテーマにも通じるものです。
②PTA活動の停滞・崩壊
①のディスカッションをしてみると、どのグループも『若い人と繋がりがない』というフレーズが出てきます。
PTAについては、崩壊しようとしています。既に崩壊しているところもあります。
PTAは、学校教育への支援という重要な機能がありますが、
「地域活動」の側面から見ると、同じ年頃の子どもを持つ親、という強い共通項をもったネットワークは、『地域教育』へと繋がる入口です。
その入り口さえ閉ざされようとしている現状を危惧します。
想像以上に、このテーマは盛り上がりましたし、ちょっと前と今とで全然違う様子に疑問や戸惑いをもつ人も多かったです。
③町内会・地域コミュニティのありよう
災害や事件・事故など、住民にとっては、大変な事態に直面したとき、目の前にいる住民たちほど頼りになるものはありません。
いま、町内会も疲弊し、脱会問題や、新規未加入問題が相次いでいます。
ローカルなネットワークは人が繋がっていくための、とても大切な機能であるはずです。
やはり、各種の町内会活動(清掃やお祭りなど)の繋がりの場面や、あいさつのできる関係づくりという話題も多く挙げられました。
④地域での見守り合い・支え合い
③の話題とも通じますが、地域包括ケアシステムが必須な社会情勢において、地域のなかで、見守り合い、支え合うという体制づくりが急務です。
いわゆる『自助』まかせでは、孤立をうんでいってしまったり、
生活が大変な人が、地域のなかにはたくさんいらっしゃいます。
それらをセーフティネット的に支えてくださっている民生委員さんや福祉協力員さんは、どこの地域も成り手不足や、後継者問題が続出しています。
このテーマでも、ご近所での繋がり、ということが多く議論されました。
課題を見つめていった前半戦でした。
ぼくだけの視点ではなく、受講者全員の、それぞれの目線や経験が掛け合わさっていき、うんうん、それもあるよねっていう、深まりや広がりを感じました。
これまで気付いていなかった課題にも注目するきっかけにもなったと思います。
まずはアンテナを高めていくことが一歩目になります。
後半!!
地域課題を見つめた前半に続き、後半は、それらを解決するため、ぼくたちはいかに歩み出せば良いのだろう?ということを考えていきます。
色々と手法はあるのかもしれませんが、
『協働』のまちづくりをテーマに考えていきました。
協働とは、主体的に携わる人がいることです。
自分事として、積極的に、関わってくださる。
地域のなかに、そんな人が多ければ多いほど良いものです。
主体性は、気持ち、心、モチベーションの問題です。
地域づくりのキーパーソンである皆さんからの、ちょっとした声掛けや配慮が、協働を生み出す原動力になっていきます。
この協働に関するテーマにおいては、
経験値で全く異なります。
協働の成果を実感したことある人と無い人では、言語が違うほど、論点がズレてしまいます。
この点にはすごく注意が必要です。
ぼくから、協働とは、どういうものか、
どういうバランスが大切なのか、解説し、
また、4つのテーマで順に、皆さんと検討を進めていきました。
以下の4つです。
それぞれのハウツーを多少お話した後に、皆さんの経験や実例をもとに考えていただきました。
①人材の巻込み方~課題を真ん中に置く
②主体的な共感の生み出し方~共通項を持つ
③動き出し・歩み出し~風を吹かせていく
④主体的な人財活躍~人が大切にされ、意見が尊重され、繋がる
①人材の巻込み方~課題を真ん中に置く
協働する人材を集めたいときに、いかに巻込んでいくか、そのアプローチがとっても重要になります。
単に、「手伝ってくれ」って声かけても、主体性はなかなか生まれません。
手法として、課題を真ん中に置いたり、早め早めにお誘いしたり、ちょっとしたコツや工夫を加えるととても上手くいくものです。
皆さんの経験も踏まえて、イメージしていただきました。
②主体的な共感の生み出し方~共通項を持つ
みんなが一緒に携わるには、『共感』できるテーマであったり、『共通項』があると、とても良いです。
安全・安心に関わることなど、地域課題であり、誰しもに重要なテーマはそれになりやすいです。
また、『子ども』を真ん中に置くことで、地域活動の賛同者は多くなっていきます。
皆さんのご経験のもと、話を聴いていると、健康や食事のことなど、生きていくための必須となる事項は興味関心が高い人が多かったり、
やっぱりスポーツ!おまつり!など、楽しくみんなで参加できるものは鉄板ネタだということも意見としてありました。
また、地域特性や地名のこと、そのまちの歴史のことなど、自分たちの足元のテーマも、深く関心をもっていく人が多いとのことでした。
③動き出し・歩み出し~風を吹かせていく
協働人材を増やしていくには、やっぱり『場』がないといけません。
机上論だけや
会議の席だけで、主体的に動いていく人材は増えていきません。
そこで、『場』を設けて、そのチャンスを活かしていくことが重要です。
でもでも、その『場』を設けるまでが大変・・・!
重たいものを転がし始めるには、相当な労力とエネルギーと熱意が必要です。
ぼくたちのような外部のNPOが参画するのも、ひとつのきっかけだと思います。ぼくたちなんかは、地域の皆さんの背中を押し、風を吹かせていく存在だと思います。
④主体的な人財活躍~人が大切にされ、意見が尊重され、繋がる
最後のテーマが一番盛り上がりました。
そして、すぐに実践できそうな話ばかりでした。
協働など、人と人とが関わっていくときには、
心の持ちよう、モチベーションが重要なポイントです。
その人の気持ちを盛り上げ、また次へとテンションを保っていくかが重要です。
ちょっとした声掛けや、感謝の気持ちも重要でしょう。
一人ひとりが尊重され、大切にされ、感謝され、貢献し、活躍し、そんな循環がまた次の好循環へと繋がっていくものと思います。
これから、声をかけていきたい。
あいさつから始めたい。
おしゃべりから始めたい。
人を繋げる人になりたい。
などなど、とても素敵な感想をいただきました。
とても素晴らしい意見が多かったです。
ぼくから講義的に教えられて、持ち帰ってもらうんじゃなくって、全部自分達の言葉から出たフレーズです。
きっと、実践していっていただけるものと思います。
こうした地域力アップ!へのキーパーソンが、各地にいることで、それぞれの地域が、もっともっと活性化していくものと信じています。
最後に、一言で良いので、アウトプットの宣言をお願いします!!
とても頼もしい地域力アップ!の皆さんでした。
毎年、講座を受け持ちますが、今回は特に皆さんの真剣な議論が印象的でした。議論が逸れることもなく、どんどん深く議論されていて、担当講師として、とても嬉しかったです。
それでは、協働の仕上げ!
はいチーズ!!
今回、『協働』をテーマに午後から2時間の講座となりましたが、
これを5回シリーズ!でやるという、とても贅沢な講座をご準備いたしております。
今回も、皆さんのお話を聴きながら、色んなノウハウが具現化されていったように思います。
この5回シリーズが終わる頃には、本でも書けるんじゃないか!?ぐらいの期待を抱いております。
あと、数名分だけ席が空いているようです。
ぜひ!!
今日もご覧いただきありがとうございます。
<1年前の”今日”の記事★>
おぉ!!
この新ネタ開発、素晴らしかったですよー!!!
ぜひ、どんどん作っていきたいですね!!