デジタルネイティブが選ぶ宇治の楽しみ方:抹茶ギョーザと平等院の極楽体験
【約1,200文字、写真14枚】
冬休み、小学5年生の娘が突然「宇治の抹茶ギョーザ食べたい」と言い出した。宇治市には、歴史的な平等院や源氏物語ミュージアムがある。「ちょっと見てみない?」と提案してみると、「だからギョーザ!」とおっしゃる。
平等院も行こうよ
せっかく子どもと宇治に行くのだから、せめて平等院鳳凰を体験させたい。
私「十円玉には平等院の鳳凰堂が描かれているんだよ。現場で見比べてみない?」
娘「お父さんが行きたいなら、行ってあげるよ」
…あざーっす。
まずは抹茶ギョーザ。調べてみると、ラーメン屋さんのサイドメニューらしい。
抹茶グルメの店が軒を連ねており、看板が目に飛び込んできた。そういえば、しばらくラーメンを食べていない。せっかくなので、抹茶ラーメンもいただくことにする。
ほんのりと渋みのあるラーメンとギョーザで、お腹を満たす。ソバのような麺が抹茶と絡まって美味しかったです。
いざ平等院へ。寒くて小雨の降る日だったが、入場料を支払う列は混雑している。
そういえば、どこで「抹茶ギョーザ」を知ったの? と聞いてみると、「学校の授業で、地図アプリを使って宇治市を散歩してたら、みつけた」。さすがは、デジタルネイティブ世代!
十円玉と平等院
案内の看板によると、平等院の境内は広いわけではないらしい。50メートルほどの鳳凰堂をぐるっと一回りすれば終わりに見える。(オシャレすぎる案内の看板。…方向オンチの私には今どこかわからない)
いきなり、鳳凰堂が目の前に現れた。なぜか橋が2種類ある。反り橋(右手)と平橋(左手)だ。意味がありそうだけど…?
パンフレットには「~建築、庭園、周囲の自然環境が渾然一体となり、当時の貴族たちが希求した極楽浄土の光景が再現されて~」とある。
極楽を体験できる施設ってことか。そもそも、この庭園の名前は「浄土庭園」らしい。
追加で300円出せば、鳳凰堂の堂内にも入れる。せっかくだから行ってみたのだが、これがまた豪華絢爛。鳳凰堂には仏師・定朝作の神々しくも美しい阿弥陀如来座像が安置されていた。(堂内の撮影は禁止)
平安時代の中期に建てられた阿弥陀堂が、鳳凰堂と呼ばれるようになったのは江戸時代のこと。
十円玉と見比べるとその美しさが際立つ。本来は、経典に説かれた西方浄土の阿弥陀如来の宮殿を再現したものらしい。優美なのに、どこか軽やかだ。
平安の王朝文化、浄土教美術の世界に没頭してしまう。これぞ、極楽体験。
ミュージアムの鳳翔館でお宝を拝見
この先は行き止まりに見えるが、自然に溶け込んだミュージアムがある。
なかには、「天下三名鐘」の梵鐘(国宝)、鳳凰一対(国宝)、日本最古の大和絵風九品来迎図(国宝)など、国宝や歴史的遺産を堪能できる。ガラス張りの展示ケースに収められた梵鐘は圧巻だ。(こちらも撮影は禁止)
ちょうど鳳凰堂の裏にでる。 出口付近にはショップも併設されている。
鳳凰堂を斜め上から見ながら帰る。
■information
宇治のコイ
せっかくの宇治だから、お抹茶を飲んで帰ろう、と誘ってみますと「わらび餅なら食べたい」とおっしゃる。
私「今日の宇治で、いちばん心に残っているのは何?」と聞きますと、
娘「鳳凰堂の、…」
私(おおっ)
娘「前の池にいたコイが可愛かった」
…鯉? ギョーザでもない? …それは何よりでした。
大役を果たした私は、菓子を口にふくみ、茶碗をゆっくりと口元に運んだ。甘さと苦さが絶妙に絡み合う。抹茶の香りが鼻腔をくすぐり、心地よい余韻が広がった。
子育ては、ほろ苦い。
ごちそうさまでした。
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