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外国語学習に役に立つかもしれない本の選び方

  

 新しい外国語を勉強してしばらく経つと、力試しにその外国語で本を読んでみたくなるのですが、そんな時に読む本の選び方のコツについて書いてみます。

 例えば、子ども向けの童話は短いし、読みやすいのではないかと思いますよね。 でも経験から言うと語学の初心者には童話は意外に読みにくいです。 
普段使わない単語がたくさん出てきたり(例えば魔法や想像上の動物など)、 その上、あまりよく使われない時制が使われていたりすることが多いからです。 

 わたしがお薦めしたいのは、一度自分が知っている言語で読んでおもしろかった本を勉強中の外国語でもう一度読んでみること。 だいたい内容が分かっていると、書いてあることが完全に理解できなくてもなんとなく読み続けることができます。 できれば、あまり長くない本を選ぶのも大切なポイントですね。短い本でも一冊読み終えると、達成感があるからです。

 以下に私が勉強した外国語の本をいくつか紹介します。 

 

  • イタリア語学習者の場合


 例えば、わたしはイタリア語を勉強する前に、ナタリア・ギンスブルグ著、須賀敦子訳の「ある家族の会話」を読んでいました。 
 イタリア語を勉強していた頃、この本の原書を読んで、イタリア語の勉強にとても役に立ったと思います。

Natalia Ginzburg の原書 "Lessico famigliare" は日本のアマゾンでも購入できます。  

https://www.amazon.co.jp/Lessico-famigliare-Natalia-Ginzburg-dp-8806219294/dp/8806219294/ref=dp_ob_title_bk


アントニオ・タブッキ著の「供述によるとペレイラは…」も須賀敦子訳で読んで、後に原文を読んだ本です。 



  • ドイツ語学習者の場合

 ドイツ語ではエーリッヒ・ケストナーの「エミールと探偵たち」を最近読みました。 ケストナーの本は子どもが小さい時に一緒にイタリア語で読んでいたので、内容は知っていたし、読みやすかったです。(たぶん、大昔日本語訳も読んでいたと思います。)


 特にドイツ語学習者向けに書かれた本もあります。 学習者のレベルに合わせて、本を選べるのも嬉しいです。
たとえば Angelika Bohn 著の Einfach Deutsch lesen のシリーズは内容も本当におもしろくてお薦めです。
このシリーズの本には各章の終わりに難しい単語リストが付いていて、英語訳が書いてあります。  

ドイツ語学習者向けの本をたくさん書いているAngelika Bohn の本 (左)と
ドイツ語の辞書 (右)

一度読んでよくわからなくても、もう一度読んでみるともっと内容がわかることもあります。


CEFRの一番簡単なレベル(A1/A2)の本はたとえばこちら。





現在、スペイン語学習者、中国語学習者、そして日本語学習者向け
のお薦めの本を探しています。 もしどなたか いい本をご存じでしたら、教えていただけると嬉しいです。 


 個人的な意見ですが、外国語を勉強して一番よかったと思うのはその言語でおもしろい本が読めた時です。  
 たとえば スティーヴン・ホーキング Stephen Hawking 著の "A brief history of time: from Big Bang to black holes" は訳本で読んだ時に比べ、原文で読むと説得力がぜんぜん違います。

 AIがもっと発達すれば、外国語を勉強する意味がなくなると考える人もいますが、異なる文化や科学を本当にを理解したいと思うなら、何かを仲介した訳では役に立たないと思うのです。 



 最後まで目を通してくださった方、ありがとうございます。 
 

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