2024年 夏の京都に
夏休み前に娘に「日本の有名な絵ってどんな風なの」と聞かれたことがきっかけで、夏の暑い京都に旅行することになったのでした。
聞かれたとき、あまり日本美術に詳しくない私は「例えば 風神雷神図屏風の様な絵や、浮世絵の葛飾北斎の波の絵が有名じゃない?」と答えていました。
ちょうどこの夏は家族揃って日本へ一時帰国することにしていて、帰省先の宮城から一週間ちょっと遠出もしようと考えていました。
せっかくだから、日本の美術に少しでも興味を持ってもらえたらと考えて、日本へ帰国する前にインターネットで風神雷神図屏風について調べました。
風神雷神図屏風のオリジナル、原本は琳派の創設者とされる俵屋宗達が描いたこと、そして、京都国立博物館に所蔵されていることなどがわかりました。
京都について翌日、朝から京都国立博物館を目指しました。
博物館では常設展の他にちょうど「豊臣秀次と瑞泉寺」展の特別展示もあって、娘と主人には(私にも)よい日本史の勉強になったのですが、期待していた風神雷神図屏風は展示されておらず、ガッカリ。 博物館の職員の方に聞いてみたところ、常に公開展示されていないそうで、「もう3、4年くらい職員の方も見ていない」とのとこ。 もしかすると来年の春に予定されている特別展で展示されるかもしれないそうです。 それでも元々屏風があった建仁寺によくできた複製品があると教えていただきました。
博物館の後は近くにある三十三間堂にも足を運び 、私にとっては高校の修学旅行以来、1001体の千手観音像の迫力に圧倒されました。 堂内は写真撮影禁止のため、写真はありません。
お昼ごはんの後、その日の午後には気を取り直して、せめて屏風の複製だけでも見られたらと、建仁寺に向かいました。
建仁寺は鎌倉時代に建てられた京都最古の禅寺とあって、石庭が素晴らしかったです。境内にいると、外の暑さを忘れさせてくれるようでした。
意外に思ったのは、建仁寺では写真撮影OKのところが多かったこと。
枯山水がすてきだなぁと何気なく写真を撮ったら、奥に見える石塔は織田信長の供養塔なのだそうです。 建仁寺は信長の弟で千利休に学んだ茶人、織田有楽斎にゆかりのある寺だということも勉強になりました。
風神雷神図屏風の複製は桃山時代の絵師、海北友松の襖絵竹林七賢図のある方丈にありました。
博物館のガラスのケースに入った屏風を鑑賞するのとは違って、複製とは言え元々あった建仁寺で鑑賞できたことはかえってよかったのかもしれないと思いました。
やっぱり京都はその歴史を感じさせてくれる物が随所にあるのだなぁと改めて思いました。 何度行ってもまた行きたくなるところですね。
最後まで目を通してくださった皆さま、ありがとうございます。