7-9月に読んで面白かった本5冊
こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。
7-9月に読んだ25冊のうち、面白かった5冊を紹介します。気分が停滞していたので、メンタルや内省系本が多かったですが、エネルギーをくれたのは経済学の本だったりします。好奇心をくすぐられることってエネルギーになるからなぁ。
①ヤバい経済学&超ヤバい経済学
大ヒットしたので購入していましたが長い間積読でした。もっと早く読めばよかった!
普段見逃しがちなインセンティブや行動の裏に潜む意外な経済の仕組みを探る本。著者は経済学の手法を使い、常識を覆すデータを分析。対象はアングラなトピック、論争を巻き起こしたトピックなどで、そこから驚きの真実を暴き出す。事実だから仕方ないとブラックユーモアたっぷりに語る小気味いい本。
中絶と犯罪率の関係や、扶養控除変更で700万人の子供が消えた話など、制度の設計ミスがいかに不正や不合理を生むかを示しています。意外にも子育てに関する章が興味深く、その辺の育児本より説得力があります。
身近な問題を新しい視点から理解でき、データに基づく経済学の面白さを体感できる!知恵と洞察に満ちていて、読後は社会や個人の行動を新たな視点から捉えられる内容。これは読んで損はありません!
②メンタルマネジメント大全
精神的なストレスや不安に対処するための包括的なガイドブック。著者は、メンタルの管理を「マネジメント」という観点から捉え、感情や思考を整理する具体的な方法を提案しています。自信を失った時や、ストレスで心が乱れた時、心が満たされない時など、シチュエーションごとにネガティブな感情とどう付き合うか、対策は何か、実践的に教えてくれます。
基本的には、ネガティブな感情を否定するのではなく受け入れ流す、他のことにスポットライトを当てる、気分を切り替えるなどして、ネガティブな感情と上手く付き合う方法を説いています。思考バイアスに気づいて整理する方法や、気分を切り替えるテクニックも学べます。
既に知っていたことや、本内で重複することも多いが、特に「自信を失った時」の章に参考になるトピックが多く、体系だった本なので心が乱れた時に繰り返し読みたくなるような一冊。
③50歳の分岐点
大人への階段である「思春期」ならぬ、老人への変わり目である「思秋期」についての話。中国ではこの「思秋期」という言葉がブームになったらしい。
思春期を経て子供が大人になるように、思秋期を経て大人は老人になる。良い老人になるために、良い思秋期が必要なんですって。思春期をこじらすとグレたりするように、思秋期をこじらせると痛い老人、老害になってしまう。それを防ぐために参考になりそうなこと、たくさん載ってました。おすすめです。これを読んで、いい老人になろう!
④チャッター「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法
心の中で繰り返すネガティブな自己対話(雑音)に対処するための方法を探る本。著者は心理学者で、頭の中の否定的な声や無限ループのような思考(反芻)が、いかに私たちの精神状態を悪化させるかを解説し、これをコントロールするための実践的な戦略を提示。視点を切り替える方法、他人とのつながりを活かす方法など、マインドを整えるための具体的なアプローチが学べます。
距離の取り方が重要で、第三者として客観的視点から距離をとる、時間軸の距離を取る、儀式を行うことで強制的に一定の場所へトランスさせるという自分との距離のコントロールの方法が参考になりました。
世の中には、考えすぎない人、考えない人もいますが、考えすぎてしまう人が一定数います。それは特質なので、諦めて受け入れて、この本のような対策をとるのが吉だと思う。
⑤ハゲタカ
昔ドラマ化されてたのでご存じの方も多いでしょうが、いまさら読みました。積読整理…
が、さすがに面白かったです。
企業買収や金融業界を舞台にした経済小説で、日本のバブル崩壊後の経済危機を背景にしています。外資系ファンドの長・鷲津政彦が、経営難に陥った日本企業を次々と買収し、再生と利益を追求する姿を描いています。金融の世界の裏側や、企業再建の厳しさをリアルに描写しており、資本主義の光と影が交錯するスリリングな展開が魅力。経済に関心がある人にとって、刺激的で深い読み応えのある一冊です。
米系投資銀行、商社、金融機関など、実際名をもじってるのでわかりやすいです。投資銀行マンが激務だとは知っていますが、これを読んでるとどれだけ激務かがよくわかります。それだけ高収入なのも納得です。めっちゃサヤ抜いてるし。
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