読書ログ:OPEN:開くことができる人・組織・国家だけが生き残る - 人間は本能をコントロールできる
OPEN:開くことができる人・組織・国家だけが生き残るを読みました。
ついつい籠りがちになってしまう人、組織が閉鎖的と感じる人、開放的になるためにはどうするのか気になる人にお勧め。
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どんな本?
コロナ時など危機的状況にあるほど、人も国も閉鎖的になるけど、むしろ国を挙げての国際協力が必要になる。エリート や 一部 政府が解決策を押し付けるのではなく、個人が解決策を探し続けることのできる環境を作ることを課題としている本。
一番面白かったのが、「俺たち」vs「奴ら」と考えてしまう部族主義は人間の本能であるため、食欲と同様に環境設定によりコントロールしていくことが推奨されていること。その境界を引く考え方が、人を閉鎖的にしてしまう。
良い栄養を摂り、運動する習慣を整えるように、良い情報を取捨選択して取り入れ、閉鎖的になる自分を環境により開放的にしていくヒントが書かれてました。
デフォルトで「俺達」VS「奴ら」と考える 脳の仕組みが人の本能に組み込まれている
人が、 本能にただ従い過食するのを避けるために学習し 運動習慣を作り 環境を整え 健康的な肉体を保っていっているように、 物事を考え 自分の偏見に疑いを持つ習慣を整えればそのような敵対感情をコントロールすることができる。
食べ物のない時代から 食料過剰の時代になり、何を食べるかをきちんと 選ぶ必要があるのと同じように、情報がない時代は少しの情報源を鵜呑みにしていたけれど、 情報活用な現代社会においては 情報に気を使い、良い情報を選ばなければいけない。SNS の感情的な反応は、人を没頭させ、時間とエネルギーを消費させることに使われているからだ。
人は 部族主義 も備わっているけれど、 それと共に新しいものに対する好奇心や 寛容性という側面も持っている。
知的環境を利用して それぞれの違う部分を強化していくようにすれば この部族主義に対応できる。
自尊心があり 集団のアイデンティティに頼らない 自己価値を見出せると他人にオープンになり柔軟になれる寛容になれる
解決策は、オープンになること
一番良い解決策は 何百人もの人々が 解決策を探し続けることのできる環境を作ること。 エリート や 一部政府が解決策を押し付けるのは最善策ではない。
人の本能に備わっている厄介なデフォルトは、ゼロサム思考と集団戦争をもたらす部族主義。 それを 変えることもできるが、知らないと自分の中の部族主義を利用されてしまう事がある。例えば、部族主義を利用し、共通の敵を作り上げることで 人を束ねるのが ポピュリスト。
不安を感じたときに、人も組織も社会もクローズドになりがちだけれど、実はそんな時こそオープンになる必要性があり、新しい知識やアイディアやその融合創出を目指す必要がある。そして人はそれを可能にする柔軟性を持っている。
ただ流されるように本能に負けるのではない解決策を提示している、希望に詰まった一冊でした。