#621 味気ない一般論が、実は真理だったりする
中学受験をするべきかどうかはしばしば話題になります。
結論から言えば、「どっちにしてもプラスとマイナスがあるから、各家庭の状況や子どもの特性を考えて選んで、うまく行かなかったら都度方向を修正していけばいい」というある意味一般論的で無味乾燥な答えになってしまいます。
私自身は、公立中学から私立高校にいきました。中学受験ではなく高校受験を選びました。一方、職場は中高一貫でした。
『“9年制”義務教育学校が急増!小学校・中学校を統合する背景には「少子化」だけでなく「学力向上」も』という記事の中では、小中一貫校が増加しているとし、その要因として長期的なスパンで学習カリキュラムを作成することができるため、学力向上に役立つと行っています。
今英語塾では公立学校の中学生を教えていますが、英語学習だけのことを考えると、高校入試というのはある意味「邪魔」になってしまう。特に中学3年生の段階で英語が苦手な子どもたちにとっては、本来抑えなければいけない段階を無視して、いわゆる「受験対策」的なことをやらなければなりません。また3年では教科・科目を復習する時間がなかなか取れないので、一回授業で習ったことは、自分でやらなければならず学力の格差が生まれる傾向にあります。
一方、私が勤めていた学校は進学校だったので、生徒が学校生活を楽しめるかどうかは、自身の学業成績の良し悪しと関連が強くなります。また、学校側も教育の主たる目的を学力向上にあげる、いわゆるワンイシュー状態になり、価値観が固定化され、その中での多様性は見つけられにくくなるのです。
で、最初に述べた味気のない一般論的な結論に戻ってくるのですが、逆に言えば、それが真理みたいなところもある。
学力を伸ばす観点、視野を広げる観点、楽しいを支える観点、結局それはバランス。今はそれが比較的細分化された学校が多いようですが、いずれ、それらを統合する学校がどんどん出てくるでしょう。