#298 ロシアの愛国心教育から見る、思想統制ツールとしての教育
教育は人々を「洗脳」するツールとして非常に効果的である。80年前には日本でも教育における思想統制が行われていました。英語学習の禁止、天皇万歳など令和の時代では考えられない教育が、ほんの少し前まで行われていたのです。
私の父方の祖母は5年ほど前になくなりましたが、最後は認知症でした。彼女は自分の古い記憶が蘇ってきたようで、私が聞いたこともない「軍歌」を口ずさむこともありました。
発達段階の中で私たちが学ぶものは、自分の思想に大きな影響を与えます。だからこそ、特に公教育は、「何を教えるのか」について十分に吟味をしなければならない。
それが決して「国家」のために使われてはいけないのです。
先日NHK『クローズアップ現代』で、プーチン政権の元、ロシアでは「愛国心教育」が強化されていると報じられました。
教育という便利な思想統制ツールを用いて、祖国への忠誠心を養う意図が見えると言います。思想統制は「多様性の排除」を意味し、「恐怖心」を扇動します。
ある特定の価値観を原理原則として物事が進んでいき、そこに疑問を持つことを決して許しません。異端分子を互いに監視し、時に密告することで、その原理原則を維持しようとする。80年前の日本における特攻警察を連想します。
しかし、80年前と違うのは、現代は「情報」が大きな武器となる。ロシアや中国では国家が情報の検閲をしているそうですが、個人的には限界があると思っている。多様な思想、多様な価値観が、「まやかしの絶対性」を取り払う鍵となるのではないかと考えています。
一方、「教育による洗脳」は日本にとっても決して昔の話ではありません。ほんの小さな間違いが私たちの思想を「統制」してくる何かが出現するのです。