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#263 学びは抑圧と支配に対するシルバーブレッド
学びには非常に大きな力があります。人は多種多様な学びを通じて、世界に対する矛盾を理解していきます。学びは時として国家や体制を転覆させるほどの大きな力となり、既得権者や支配者側を打ち倒す大きな波を生み出します。世界の歴史を見てみても、人は「学び」を通じて、国家のありようを変えていきました。
一方で、支配者側からすれば、学びは脅威となりうる。学びの範囲を限定することによって、その統制を維持しようとします。人気漫画『ワンピース』の中でもそのような設定が。世界政府と呼ばれる機関が、人々に「空白の100年」と呼ばれる歴史を学ぶことを禁じ、そのタブーを犯せば、世界の重大犯罪人として処刑されてしまう。私たち日本人が当たり前に教育を受けることができる時代に、ふと違う世界に目を向ければ、ワンピースの世界と同じようなことが起こっているのです。
アフガニスタンで実権を握っている武装勢力タリバンの高等教育省は今年の2月に、大学での女性への教育を停止するとの通知を出しました。
タリバン暫定政権 ナディム高等教育大臣は
「大学の女子教育をめぐっては、イスラム法に反するさまざまな問題があった。まず、地方の女子学生らがマフラム(男性親族)の付き添いなしに大学に来るなど遠出をしたことや、女子寮で暮らしていたこと。そして、ヒジャブ(髪を覆うスカーフ)をきちんと身につけていなかったことも問題だ。女子学生らは結婚式に出席するような服装で大学に来ていた」
「また、ほとんどの大学で男女のクラス分けがなされていなかった。さらに、工学や農業分野など女性にふさわしくないカリキュラムもあった。私たちは女子教育には反対しているが、女性の存在を否定しているわけでも、アフガンの発展に反対しているわけでもない。国際社会には私たちの内政に干渉しないよう求める」
という理由で国内の女子教育に対する弾圧を強めています。
さらに先日のBBCのニュースではタリバンは女子学制の国外留学をの道を阻んでいると報道が。
「宗教が世界を支配する」という表現は適切ではない。誤解を恐れずに言うのであるならば、宗教は所詮、人間が生み出した空想の世界。もちろんその思想自体が共感されることもあるだろうし、その思想の体現者を「神」と呼ぶのかもしれない。しかし、結局、人が生み出したものに本質的な意味で「神」が存在するわけがありません。宗教を利用した人間が世界を支配するのです。
国家のありたいように、思想という形で人々を弾圧し、学びから遠ざけて盲目的にさせていく。彼らはきっと恐れているのです。女性が「学び」を通じて賢くなり、その賢さがいずれ自分たちの支配力を崩すシルバーブレットになることを。