エアガンのおもひで
中村文則のデビュー作「銃」を読んだ。
銃を拾った大学生が自分のうちなる衝動を解き放つお話(雑な説明)
僕は幸いにして、まだ銃を拾ったことはない。
だが、銃を拾ったことがキッカケで何かを撃ちたくなる気持ちは分からないこともない。
小学生くらいの頃、友達でBB弾銃、エアガンを持っている友達グループがいた。BB弾を公園中に撒き散らしながら、サバゲーをやっている姿がとても羨ましく思ったのを記憶している。
僕も試しに親に欲しいと言ってみたことがあるが、危ないという理由で却下された。今にして思えば至極まともな判断である。
しかし、ぼくはそんなことでは諦めなかった。
夏祭りの屋台でエアガンのくじをやっている店を見つけて、そこで初めて自分のエアガンを買った。もちろん、親には買ってはいけないと言われていたので内緒で購入した。
家に持って帰って開封したときの高揚感。
最初は眺めるだけで十分だったが、次第に何かを試しに打ってみたいと思うようになった。
またどのような仕組みで打つのか興味が湧き、分解してみることにした。だが、これが大きな間違いだった。
分解したはいいものの、元に戻すことができなくなってしまったのだ。結局せっかく買ったのに一回も撃たないまま壊してしまった。
しかし、もし分解することがなかったら?直すことができていたら?
僕は一体、何を撃っていたのだろうか。