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私たちは法治国家で暮らしています。

 法は私たちの自由で安心・安全な暮らしを守るために存在し、他者のそれらを侵害すれば、逆に自身の自由を奪われることになります。

 自由とは、偉大な概念です。何気ない日々の平穏な暮らしから自分の人生を切り開くための激しい生活であれ、その全ての中には、自由が存在していると言っても過言ではない。

 私たちの自由を(物理的に)阻むことができるのは、法だけなのです。

 袴田事件の再審において、静岡地方裁判所は、無罪判決を出しました。國井恒志裁判長は、捜査機関による証拠の捏造を認定したのです。

 その歳月はおよそ58年。人の人生の長さを考えれば、奪われた時間はあまりにも長い。しかも、その証拠が捏造されていたという前代未聞の冤罪事件です。

 当時の検察は、何を思い、証拠を捏造したのか。今となっては、誰にも確認することができない。

 現在、日本において、法のもとに、他者の自由を奪うことに直接関与できるのは、警察、弁護士、検察、そして裁判官です。

 これらの各機関は、誰かの自由を守るために、誰かの自由を制限することができる。一見すると当たり前なのですが、そこには大きな権力があり、それと同時にそれを扱う大きな責任が伴います。

 強大な力を扱う者がその責任を放棄した時、私たちの自由を脅かす敵となるのです。

 

 


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