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月経前症候群(PMS)
今回は月経前症候群(PMS)についてメカニズムやその対応策について説明していきます。
月経前症候群とは
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月経前症候群とは
「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」
と定義されています。
なんと世の中の女性の8割以上が経験しているようです。
症状としては
・胸の張り
・むくみ
・うつ傾向
・情緒不安定
・集中力の低下
・肌荒れ
・関節の痛み
・食欲増加
・社会的引きこもり
など多々あり、症状の出現や程度は個人差があります。
では、なぜこのような症状が出てしまうのでしょうか?
症状の原因には女性ホルモンが関係しています。次にこの女性ホルモンについて説明していきます。
女性ホルモンについて
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女性ホルモンは月経前症候群だけでなく、月経、妊娠・出産、更年期障害など様々なことに関与しています。
女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあり、まずこれらの女性ホルモンについて説明していきます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)
・受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くする
・自律神経を整える
・女性らしい体つきを作る
・血流を改善する
・肌に潤いやハリを出す
・骨を強くする
プロゲステロン(黄体ホルモン)
・基礎体温の高温期を作る
・骨盤内に血液を貯める
・食欲を増進させる
・抑うつ状態を作る
・血糖値を低下させる
・体のむくみを招く
・腸の働きが低下する
各ホルモンにこれだけの作用があります。
この2つのホルモンはどちらとも卵巣から分泌されます。年齢や周期において分泌量が変動し、故に私達の身体に変化をもたらします。
作用を見てみるとわかる通り、エストロゲンは嬉しい作用が多いですが、プロゲステロンの作用は月経前症候群の症状に当てはまるものもあり、どうやら月経前症候群の原因になり得そうですね。
次に月経周期で見た女性ホルモンの分泌量の変化について説明していきます。
以下のグラフをご覧ください。
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こちらのグラフは月経周期で見たエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化を表したものです。
エストロゲンは月経後・排卵前に分泌量が増え、プロゲステロンは排卵後・月経前に分泌量が増えていることがわかりますね。
エストロゲンは女性にとって嬉しい作用が多かったことから、エストロゲンの分泌量が増える月経後・排卵前は女性的には身体的にも美容的にも調子が良くなります。
逆にプロゲステロンは身体の不調を招く作用もいくつか見られました。そのため、プロゲステロンの分泌量が増える排卵後・月経前は食欲が増しますが便秘気味になり、体も浮腫みやすく、時にうつ傾向になります。
これがいわゆる"月経前症候群"です。
また、自律神経の調整をしてくれるエストロゲンの分泌量が低下することも不調の要因と考えられます。
グラフを見てみると、月経直前はエストロゲン、プロゲステロンともに急激に分泌量が低下していますね。この急激な女性ホルモンの分泌量の低下がストレスとなり、精神的な症状を招くとも考えられています。
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月経前症候群のメカニズムについて理解していただけたでしょうか?
次に月経前症候群の対応策について説明していきます。
月経前症候群の対応策
月経前症候群の対応策について、ツボと食事の2つの観点から提案していきます。
まず、症状別におすすめのツボを紹介していきます。
月経前症候群におすすめのツボ
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月経前症候群の症状には多々ありますが、ここでは
・お腹の張り
・むくみ
・イライラ
・情緒不安定
の4つの症状に対しておすすめのツボを紹介します。
お腹の張り
「子宮」:おへそから手のひら1枚下、そこから指4本分外側
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子宮という名の通り、婦人科系のトラブルの際によく使われるツボです。お灸、カイロ、蒸しタオルなどで温めてあげるのがおすすめです。
むくみ
「陰陵泉」:骨際に沿って内ずねを上がっていったとき、指が止まるところ
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水の溢れる深い泉という名の陰陵泉。お腹の張りにも効果を発揮します。気持ちの良い圧で押してあげましょう。
イライラ
「太衝」:足の親指と人差し指の間を足首の方へなぞり、指が止まるところ
動脈拍動部
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足の甲にあるツボです。眼や筋肉の疲れがある際にもおすすめのツボです。気持ちの良い圧で押してあげましょう。
情緒不安定
「労宮」:指を握った時に人差し指と中指が当たる間のところ
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気持ちを落ち着かせたい時に使われるツボです。手のひら全体をマッサージしてあげるのもおすすめです。
症状が当てはまる方はぜひ試してみてください。
月経前症候群におすすめの食材
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次に月経前症候群におすすめの食材をお伝えしていきます。
まず、月経前症候群の症状としてうつ傾向、情緒不安定、イライラなどと言った精神的なものが多くありました。
その原因として、神経伝達がスムーズに行えていないことが考えられています。
そのため、神経伝達を助ける役割のある
〇カルシウム
乳製品、小魚など
〇マグネシウム
海藻類、ナッツ類など
〇ビタミンB6
サンマ、マグロ、牛レバーなど
を摂取すると良いと言われています。
また、自律神経やホルモンバランスを調整してくれる
〇ビタミンE
アボカド、アーモンド、うなぎなど
もおすすめです。
そして、月経前にエストロゲンの分泌量が低下することも月経前症候群の原因の1つでした。
そのため、植物のエストロゲンと呼ばれている
〇イソフラボン
豆腐や豆乳などの大豆類
も効果的であると考えられます。
女性ホルモンと似た働きをしてくれます。
逆に控えたいものとしては、カフェインやアルコールなどの刺激物が上げられます。
これは情緒不安定などの際にこれらを摂取することで神経を興奮させてしまい、症状を悪化させてしまう可能性があるためです。
ここまで月経前症候群のメカニズムや対応策について説明していきましたが、参考になったでしょうか?
辛い月経前症候群の症状も少しの工夫で緩和させることが可能です。
月経前症候群でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
鍼灸治療院一歩堂
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