エッセイ:6歳で心臓病発覚
2歳から水泳をはじめ、
幼稚園では足が2番目に速い。
運動神経には結構自信があった。
ぴかぴかのランドセルを背負って小学校へ。
体育館で受けた健康診断。
その結果、「心臓肥大」と診断される。
こども病院で再検査。
すると、「完全房室ブロック」と判明。
「完全房室ブロック」とは、
心房から心室への刺激が全く伝わらない状態で、
私の場合、寝ている間に
心臓が止まることがあったと後に発覚する。
この事実を
6歳の私が理解するにはあまりに難しかった。
心臓病だと知らされた私は…
「え!そうなん!?こんな元気やのに!?
病気やのにこんな元気って
めっちゃすごくない!?」
「いっぴ、特別なにんげんじゃん!!」
このとき、私は言葉通り、本気で喜んだ。
親は「うんうん、そうなんだよ。
いっぴすごい子なんよ」と言った。
もし、私が親の立場なら
少し落ち込んでほしかったかもしれない。
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病気を喜ぶ6歳の少女、あまりにも残酷すぎる。
親はこの時、言えなかったのだ。
後日、6歳の少女の夢をぶち壊すことを。
そして少女は思う、
この世に神様はいないんだと。