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悲劇からの祝い。


先日不登校だった息子の20歳の

誕生日の夜

夕食はトンカツだった。

まだ息子は友達とカラオケに行っていて
帰ってきてない。


お肉を包丁の反対側で叩き

塩、コショウして

小麦粉・卵・パン粉の順で自分が

衣をつけた。


洗い物をしていて

フライパンに水入ったら大変なことになる

気をつけなきゃ。


と、なんか嫌な予感がした。




油で揚げるのは夫だった。

揚げ物が上手な夫にすっかり任せて

テーブルの上を拭いたり

ごはんの用意をしている時に



夫『あ、熱いー!!!!』


と叫び声。


慌ててキッチンに行くと

フライパンから油がこぼれ落ちて

コンロの側に置いてあった


5キロ3,500円位で買った

まだ開けてないお米の袋のあちらこちら

から


油の熱で袋が溶けて

お米が溢れ出していた。


すかさず保冷剤にバンダナを巻いて

夫に両足分を渡して休ませた。



その間に溢れたお米を救出して

床に浸った油とコンロ周りにドロドロと

広がった油をひたすら拭いた。



お米は半分くらい

油まみれ。


しばらく油まみれのお米を

食べなきゃいけないかも。


1/10くらいのお米はあまりにも

油に浸っていてさすがに捨てた。

(こんなにお米高い時だけど😂)


何より夫の右足の脛の部分に

結構な変色した火傷の跡が残ってしまった。



夜遅くまで保冷剤で冷やし

ゲンタシン軟膏を塗って

大きめな絆創膏を貼ったけれど


こりゃあかなり痛いだろうな、と
いう傷痕。


夫『いっぱちがすぐに保冷剤渡してくれて冷やしたからこんな程度で済んだと思うよ、ナイスアシストだよ。』

とサッカー風に言われて
なんか冷めてしまって


いっぱち『あ、そう?』


と軽く流してしまった。


大体なぜ、トンカツ揚げてて

いきなり油が溢れるのか想像もつかず

事情を詳しく聞くと


2枚揚げ終えたところで


温度が上がりすぎてるから下げて

また温度を上げようと手を伸ばした時

取ってに手がぶつかって


フライパンがコンロからズレてて

ひっくり返り

足にもお米にも

キッチンの床にも

油が飛び散り大惨事となってしまった。


夫の火傷が軽傷で済んだのが

運が良かったと思う。



油汚れを掃除してる間に

娘を呼んで

娘に油まみれの米びつを洗って

拭いて貰い


救出したお米を米びつに入れることを

頼み、その間にコンロの上と壁と床と

油まみれのお米の処理をした。


惨事の最中に帰宅した息子。

事情を聞いてもあまり心配もしていない
様子。


こういう天然なところ、息子らしい。



夕飯は無事トンカツが食べられて

ケーキも食べて

『ハッピバースディトゥユ〜‥‥』の歌で

20歳をひとまずお祝いして


明日、本祝いで焼肉に行く。


ビールとか飲んで乾杯しちゃう感じ。

息子が20歳の誕生日には

ビールで乾杯するんだ、という

夢が明日叶う。


次々に夢を叶えてもらって

幸せ者だなぁ。


自分ももっと誰かを幸せにしたい。

そんな心に火が灯っている。


夫はケロッとして

今日もまた配達の仕事に出かけて行った。




そこそこ
コツコツやろう。
そこそこ
できることをやろう。


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