ぽんこつシングルマザーペット編
我が家が元夫から家出してきて10年。
その1年前から飼っているワンコがいる。
家出する時、ワンコを心配で悩んでいたがその時の状況は壮絶で、支援員さんに人間の命が優先だよ、と言われ泣く泣く置いてきてしまったことを今も悔やんでいる。
出かける時ワンワン吠えるワンコだったけど『元夫のことを頼んだよ。』とワンコに言い、最後に家を出たときワンコは吠えなかった。
まだ一才になる前だった。
7年後
それから6年後。話し合いが出来ないまま裁判で離婚が成立して2ヶ月後、元夫と再会した。
久しぶりに会った元夫は捨て鉢のように生きている様子だった。
ワンコのことを聞くと生きているという。
心配でたまらなくなり、それから1年かけて元夫と話し合いをする中でワンコに会いに行かせてもらうことができた。
7年後にあったワンコの姿はとても見ていられない状態だった。
娘も心配して
テレビで見たりする保護犬のような様子。
入れられたケージは汚れていて、ワンコは毛玉がたくさん付いていて体が重そう。
ムダに吠える姿は人間への警戒心のようで、ケージに入れられたまま散歩も行けず来る日も来る日もずっとここで我慢して過ごしてきたんであろうことが想像ついた。
再会した日は久しぶりに抱っこしてきた。
私の着ていた洋服はひどく汚れたけど、ワンコのことを考えると全然気にならなかった。
それから月に2回ほど、ワンコに会いに元夫の家に、心配した娘もワンコに会いに来て一緒にシャンプーしたり毛をカットしたりお世話して通った。
ワンコも心を開き出した
数回通ううちに散歩にも連れ出すようになった。
お世話にするようになって信頼してくれたのか、散歩に行くとこちらの歩くスピードに合わせてくれている気がした。
歩いていると私の顔色を見ている様子。
そんなに主に怒られてきたのかな…と表情を気にするワンコの様子が不憫に思う私。
以前はリードを持っている相手お構いなしにすごい勢いで引っ張って散歩するワンコだったのに。ずいぶんな変わりようだ。
犬もこんなにも環境で変わってしまうものなのか。
すっかり懐いてくれたワンコ。
私を思い出してくれたのか、新しくただ懐いてくれたのか。
ワンコの世話をしながら私はブツブツと今までの経緯を呟いて話した。
なぜ家出しなければならなかったのか。
何より『ごめんね。』を何度も言いながら汚れたケージを夢中で掃除した。
ワンコをケージから出して帰る時間まで一緒に過ごした。
ワンコは嬉しそうに歩き回ってイタズラも特にせず、私の横にくっついて座る。
そんな懐いた姿は、昔飼っていた時でさえ見られなかった姿だった。
時間を経てワンコとの絆を取り戻したようで嬉しい。
元夫と私
元夫と私が一緒にいる時のワンコはひどく吠える。
そして元夫はきつくワンコに叱る様子を見ていられなかった私は、懇々とワンコについて説明し、叩くのをやめること、優しくお世話を頑張ってほしいこと、犬も人の気持ちや言ってることが伝わることなどを伝えて4年経つ。
最近ではワンコを可愛いと愛着対象となってきた様子の元夫。
散歩も以前よりは連れ出しているみたい。
ケージの掃除も頑張っている。
元夫が家に着いた時に電話してきた時の様子を聞いてもワンコは穏やかになり元夫の帰りを喜んでるようで良かった。
4年かけてお願いしたことを元夫は聞いてくれたようだ。
シャンプーカット
ただ、シャンプーやカットをしない元夫。
会う度にワンコは汚れていて触った後の手が黒くなる。
何とかシャンプーカットなどのお世話をして欲しいとお願いしていた去年。
元夫がようやく今月シャンプーカットの予約をして連れて行ってくれた!
10歳を超えてて新規の予約を取れないお店が多かったようで苦労したみたいだけど、それでも見つけた動物病院でシャンプーカットしてもらえたらしい。
病気になっていないか検診も受けてもらいたいところだけど、その辺はまたそのうちかな。
オムツをつけて(トイレトレーニングできていないため)家の中ウロウロさせてあげたらどう?という提案に応えて実施したら喜んでいたとのこと。
ケージから出られないままでいつもいるワンコ。
オムツのおかげで元夫とより近くで一緒に過ごせるようになりそう。
そして、いつか我が家にワンコを呼んで家族が皆んな揃って過ごせたら一番嬉しい。
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