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『ごめんね。』


同じ人と3回目の結婚をして
10ヶ月が経った。


大きなトラブルもなく
両家の付き合いなど離婚前と変わらず
特になく、
我が家、子供達とシングルマザー
だった自分の家に

夫が舞い込んできた日々を
過ごしている。

時々自分が不満を伝えて
夫が自分が悪いと
ごめんね。』と

謝るようになったのが
1回目や2回目の結婚と大きく違う。


謝れば済むと思うなよ。という
気持ちもなくはないが

夫に素直にすぐ『ごめんね。』と
言われると


納得いかなかったことも
まぁ、仕方ないか。
と思えて自分も素直に夫を許せてるから

結婚生活が成り立ってると思う。


味付け

夫は元夫であり、元シェフである。
よって、

一応料理のプロだ。
調理師として働いてたときは
洋食・フレンチのお店だったので


得意なのは洋食・フレンチ。


揚げ物とかめっちゃ上手い。
カラッとサクサクの衣できつね色。

料理する人はわかると思うんだけど


中心部まで火が通るか不安で
揚げ過ぎたりすることがある。


自分はつい揚げ過ぎになる。

なので衣が茶色で
身の水分も抜けてしまう。


かと言って茶碗蒸しは作り方が
わからない。作ったことない。
とか、

炊き込みご飯はできない。

とか

夫は言う。


専業主婦
の自分の方が
料理の幅が広いんじゃね?

と、心の奥底でプロに勝った気
なってほくそ笑む日がある。


そんなある日。
蓮根入り豆腐ハンバーグを作った。

ソースも自分はいつも作るんだけど
このハンバーグに合うのは
照り焼きソースかな?と思って

すき焼きのタレ砂糖・みりん・酒
加えて照り焼きソースを作っていたら


夫『俺はポン酢で食べるわ。』

いっぱち『そう?なんで自分だけ違うソースにするの?』

夫『皆んなは照り焼きソースがいいのかな、と思って。』


自分はカチンときていた。

自分の作る料理にケチつけられたようで。

こういう風に、味付けを夫だけ
変えたりすることが良くある。

生姜焼きにマヨネーズかけるとか。

料理を一生懸命作る身からすると
だいぶ失礼な話だなと思ってるけど
夫はプロだからね、黙っている。

ポン酢が負けた


料理が出来上がって
蓮根入り豆腐ハンバーグの上に
大根おろしを乗せて

小ネギを散らし

子供達と自分の分には
照り焼きソースをかけた。

夫は言っていた通りポン酢をかけて
食べ始めた。

何口か食べて

夫『やっぱり、豆腐も入ってるしさっぱりしたハンバーグだから照り焼きソースの方が合うかも

(そりゃそうでしょうよ!!それも計算した上でソースも考えてますからぁ!!心の声)

いっぱち『まだ照り焼きソース余ってる分あるよ。かける?』

夫『かける。』


照り焼きソースをかけたハンバーグを食べた夫)

夫『やっぱこっちの方が美味しいや。

いっぱち『だって考えて作ってるもん。』

夫『ごめんね。


味付けにケチつけられて
ムカついてたけど
こうして素直にサラッと『ごめんね。』を
言われちゃうと


許しちゃう。


いつまでも引きずっても
つまらないしね。

プロポーズでさえ


夫はプロポーズもせず
結婚しようとしていた。

話は一緒に住む話など具体的になって
きても

一向にプロポーズもない。

3回結婚したけど
2回ともプロポーズなんてなかった。


生涯の間で女性として
プロポーズに憧れてたので
夫がプロポーズしてくれないことが
不満で伝えたところ、


ごめんね。


と言ってくれてその数日後
息子のバイト先の飲食店に食べに行く
話になり、会社員だった夫の仕事終わりの
時間に合わせてお店で待ち合わせした。


初めて出会った時もそうだったけど
この日も遅刻してきて

すっかり遅くなってようやく
店内に入ると

コートを脱いでる時に

夫『今度は離婚しないようにしようね。
と早口に言って花束を渡された。


最初、何が起きたのか分からなかったけど
これがプロポーズってこと?!


なんかもっと愛の言葉とか囁いて
欲しかったな、とか


ムードのある渡し方ないんかい!!とか
言いたいことは山ほどあったけど


ごめんね。』と謝ってくれて
わざわざプロポーズしてくれた夫。


もらった花束は茶色に変色していて
萎れていた
し、閉店ギリギリの花屋さんを
見つけて買ってきてくれたんだな

というのが想像ついたし
夫なりの精一杯のプロポーズがこれなんだ
と思うと

許せちゃうのだ。

最後に

夫の『ごめんね。』に弱い。


今まで謝ったことがないような人
だったから余計に。


ただ『ごめんね。』で何でも済まされる
と思われても困るので
自分の時には強い意思表示も肝心かなとも思う。


どうしても許せないこともあってもいいかな。


線引きはちゃんとしておかないと。


でもなんだかんだ言って
夫を許してしまう自分なのだ。


ごめんね。』といつも折れてくれる
夫に感謝

いつもありがとう。

自分も素直に謝って『ごめんね。』を
言おう。


意地の張り合いで勿体無いことにならない
ように。


夫の潔い『ごめんね。』には
感服させられる。

歳を重ねて意固地になってきてる
自分には良い教科書だ。


ワガママばっかり言って
夫に駄々こねていつもごめんね。

を言おう。



そこそこ
コツコツやろう。
そこそこ
できることをやろう。




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